インターンシップやエントリー、面接の“いま”を知ろう!企業は、どこを見て採用している?

執筆者:クロスメディアHR総合研究所 所長 河本 英之

インターン事情

学生の8割以上がインターンを活用しています。企業としては、学生に志望してもらうために実施せざるを得ないというのが現状で、新卒採用を積極的に行っている企業の3分の1、数にすると1万社以上が、何らかのインターンを実施しています。また、就職活動の早期化も進んでいます。大学3年生の夏休みを終える頃には、すでに志望業界や行きたい企業をなんとなく決めている学生も一定数います。

「インターン」を分かりやすく分類すると、3つに分けられます。
1つ目は、「オープンカンパニー」と呼ばれるものです。内容は幅広く、説明会に近い形式であることも少なくありません。
2つ目は「仕事体験」です。何らかの就業体験に近い内容が含まれ、グループワーク形式で行われるケースもあります。
3つ目が、本来の意味での「インターンシップ」です。5日間以上かつ、実施期間の半分以上は現場で受け入れ体制を整え実際に働く形式で、こちらは国も推奨しています。

応募の多い人気企業は、この3つ目のインターンシップを実施し、優秀な学生との早期マッチングを図っています。大手企業の中には、1か月程度の期間で実施し、できるだけ他社と接触できないように工夫しているところもあります。
一方で、その他の企業では、インターンシップを企画しても学生が集まりにくいため、オープンカンパニーや仕事体験といったイベント形式にして敷居を下げ、多くの学生と出会うことを目的としています。

インターンの段階から、すでに採用競争は始まっています。企業は1万社以上の中から、どうすれば選んでもらえるのか、その差別化に試行錯誤しています。多様化と競争激化が進む中で、就職活動の早期化は今後さらに進んでいくかもしれません。

昔からあるOBOG訪問の文化も、根強く残っています。これを行ったからといって有利になる、内定がもらえるというものではなく、むしろ学生側が企業理解や解像度を高めるために活用するものです。

現在では、OBOGとのマッチングは、大学のキャリアセンターからの紹介だけでなく、アプリを通じて行われることも増えています。ただし、中には出会い系と勘違いしてしまうようなリクルーターがいるケースもあるため、同性の先輩を訪ねるなど、十分な注意が必要です。大手企業の中には、公式サイト上でマッチングできる仕組みを用意しているところもあり、その場合は比較的安心でしょう。

エントリー事情

気になる企業が見つかったら、いよいよエントリーとなりますが、その周辺事情も少しずつ変化しています。まず、エントリーシートについてです。手書きである必要はなく、量産が可能な時代となり、その価値は以前よりも下がってきています。多くの学生が似た内容を書くことも影響しているでしょう。差が読み取りにくければ、AIの活用も難しくなります。

エントリーシートはもともと、大手企業が全員と会えないため、やむを得ず導入されたものでした。志望動機やガクチカを見るというよりも、誤字脱字が多い、意味が分からない、空欄が多いといったネガティブチェックの材料として使われてきた側面があります。

そのため、書類だけで強みや個性を見抜くことは難しく、最近では3分程度の自己紹介動画を提出してもらうなど、動画選考を実施する企業も増えています。話している様子を見たいという意図に加え、書類だけで不採用となり、企業に対してネガティブな印象を持つ学生を減らしたいという狙いもあるのかもしれません。

すでに書類選考を廃止し、応募者全員と面談を行う企業も出てきています。1人15分として1時間で4人、さらに時間とコストを削減するためにグループワーク選考を取り入れ、1時間で8人程度を見る企業もあります。初期選考の方法は多様化しており、今後も変化していくでしょう。

どのような選考方法であっても、気になる企業があれば、ボタン一つでエントリーできる環境は、学生にとって有利です。最初から高い志望度は必要ありません。企業を眺めているだけで満足するよりも、エントリーしてアクションを起こしてください。企業側は、選考を通じて志望度を高めてもらえれば十分だと考えています。

面接事情

面接の内容も同様に変化しています。個性を見るため、学生が用意してきた回答を聞くだけのガクチカや志望動機といった質問は減少傾向にあります。その代わりに、オリジナルの質問やプレゼンテーション形式で回答してもらうなど、学生が自然体で話せるような面接を行う企業が増えています。

学生側も、台本を用意して暗記するだけでは不十分です。ただし、どんな質問にも上手く話そう、論理的に話そうと考え過ぎる必要はありません。強いエピソードも必須ではありません。

重要なのは一つだけです。第三者との会話に慣れておくことです。日常から、一文を短くし、結論ファーストで、主語・述語・目的語を明確にし、指示語を使わない話し方を意識しましょう。普段のコミュニティでは省略しても伝わるかもしれませんが、面接の場ではそうはいきません。

この話し方ができていれば、何も恐れる必要はありません。難しい質問であれば「少し考えさせてください」と間を置いても構いませんし、話の途中で言いたいことが分からなくなった場合でも、「話を戻します」「一番伝えたいことは」と軌道修正すれば問題ありません。社会人になっても、そのような場面はいくらでもあります。

一定の話し方やマナーを守れば、面接で自分を大きく、賢く見せる必要はありません。内定に至らなかったのは、能力不足ではなく、相性の問題です。頑張ったから必ず通るものでもありません。どうか過度に緊張しないでください。


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