企業選びで大切なこととは?「就活≒婚活!?」相思相愛は入社後につくられる

就活は婚活に似ている

私はよく、「就活は婚活に似ている」とお話しします。

少し乱暴な例えかもしれませんが、本質的にはとても近いものがあります。

婚活では、たくさんの人と出会うことはできますが、最終的に結婚できる相手は一人だけです。就活も同じです。エントリーはいくらでもできますし、説明会やインターンシップにも数多く参加できます。しかし、最終的に自分が働く会社は一社です。

結婚相手を選ぶ時、多くの人は一度会っただけで決めません。何度も会い、話を重ねながら、自分との相性や価値観を確かめていきます。

就活も同じです。

説明会やインターンシップは、いわば「出会いの場」。選考は、お互いをより深く知るための「お付き合い」の期間です。その中で、「この会社なら長く一緒に歩んでいけそうだ」と思える相手を見つけていく。そう考えると、就活は婚活によく似ています。

ただし、就活には卒業という期限があります。多くの企業と接点を持ち、自分に合う会社をじっくり探したいのであれば、早めに行動することが大切です。

社風や条件(見た目やスペック)だけで選ばない

婚活で「優しいから」「高収入だから」という一つの条件だけで結婚相手を選ぶのが危険なように、就職先も福利厚生や初任給だけで決めるべきではありません。

社会人になると、1日の大半を仕事に費やします。仕事内容に興味を持てなければ、どれだけ待遇が良くても、やりがいを感じ続けるのは難しいでしょう。

また、「社風」も重要な判断材料ですが、外から見ただけではなかなかわかりません。採用活動に登場する社員は、その会社を代表する優秀な人材であることが多いからです。説明会で会った数人だけを見て、会社全体を判断するのはリスクがあります。

さらに、有名企業だから、あるいは地元で評判の企業だからといって、自分に合うとは限りません。入社直後は周囲から「すごい会社に入ったね」と言われるかもしれません。しかし、その評価は長くは続きません。数年後、仕事にやりがいを持って生き生きと働いている同期を見て、「自分は本当にこの会社でよかったのだろうか」と考える人も少なくないのです。

大切なのは世間の評価ではなく、自分自身の価値観です。

自己分析を通じて、自分が仕事に何を求めるのか、どんな環境で力を発揮できるのかを整理し、その軸をもとに自分で決断してほしいと思います。

入社はゴールではなくスタート

内定をもらい、入社先が決まったとしても、その時点で企業との相性が100%わかっているわけではありません。

企業側から見れば、学生はまだ「原石」です。どんな力を発揮するのか、本当のところは入社してみなければわかりません。学生側も同じです。説明会やインターンシップで企業研究を重ねても、実際に働いた経験がない以上、その会社を完全に理解することはできません。

実際、「絶対にこの会社に入りたい!」という学生は多くありません。「この3社ならどこでもいい」「最後まで違いがわからなかった」というケースも珍しくないのです。

だからこそ、入社してから会社を好きになっていくことも自然なことです。

配属先の上司や先輩との出会いを通じて、その会社の魅力に気づくこともあります。また、実際に仕事を経験する中で、「この仕事は面白い」「お客さまから感謝されるのがうれしい」「自分の成長を実感できる」と感じ、その会社で働く意味を見出していく人も少なくありません。

企業側もまた、社員の成長や挑戦を支えながら、信頼関係を築いていきます。

結婚する前に、相手の親や友人にも会っておくと安心ですよね。就活も同じで、採用担当者だけでなく、実際に働く社員ともできるだけ接点を持ってほしいと思います。

「もっと知りたい」「一緒に働いてみたい」と感じられるなら、入社後も会社への理解や愛着は深まっていく可能性が高いでしょう。

転職(卒業)を考えるタイミング

一方で、ずっと同じ会社にいることだけが正解ではありません。

5年後、10年後、人生のステージが変わる中で、自分の価値観も変化していきます。

結婚や子育てを機に収入面を重視するようになるかもしれません。あるいは、「この先も今と同じようにワクワクしながら働けるだろうか」と考えることもあるでしょう。

そうした問いに向き合った結果、「次の環境に挑戦したい」と思うのであれば、それはその会社を卒業するタイミングなのかもしれません。

ただし、私はまず、最初に選んだ会社で5年程度はしっかり経験を積み、専門性を磨いてほしいと思っています。その上で、自分のキャリアについて考え、次の道を選ぶことには大きな意味があります。

そして、もし卒業を決めたなら、周囲への感謝を忘れないでください。
後輩への引き継ぎを行い、お世話になった人たちへきちんとお礼を伝える。そんな誠実な別れ方ができれば、「またいつか一緒に働こう」と言ってもらえる関係が残ります。

最近はアルムナイ採用も増えています。「また戻っておいで」と言ってもらえるような別れ方ができたら理想ですね。

人との縁は、会社を辞めたら終わりではありません。 結婚もそうですが、出会いよりも別れ方のほうが人柄は出るものです。そう考えると、転職は離婚というより、次の人生に向かうための円満な「卒業」に近いのかもしれません。

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