変革に立ち遅れた日本企業を再び世界の舞台へ
今、世界は「第4次産業革命」のど真ん中にあると言われています。
第1次産業革命では、18世紀に蒸気機関が動力をもたらし、生産と消費が分離。第2次産業革命では、19世紀に電気の発明により軽工業から重工業への転換が起こり、大量生産が実現。第3次産業革命では、20世紀にデジタル技術やインターネットの登場によって、自動化・情報化が進みました。
そして第4次産業革命では、AIやIoTによってリアルとデジタルが融合し、人類史上最大の社会・経済・産業構造の変革がもたらされようとしています。
スマホの登場によって、私たちの暮らしがいかに変化したかをみれば、そのインパクトの大きさは実感できるはずです。ところが、国民の生活がこれだけ変化したのに、企業のDXはほとんど進んでいません。
国際経営開発研究所(IMD)が公表している「デジタル競争力ランキング」(2021年)では、日本は64カ国中28位と後退しています。部門別では知識部門で28位、技術部門で23位、将来への準備度部門で25位ですが、特に「デジタル人材」と「企業の機会/脅威への対応」の項目はワースト3位、「柔軟性」はワースト1位という状況でした。
日本企業の「DX対応力」の部門別順位
World Digital Competitiveness Rankings – IMD
日本は戦後、ものづくりを武器に経済成長を遂げ、世界一の経済大国にまで上りつめました。1989年の世界時価総額ランキングでは上位50社の内、実に32社を日本企業で占められていました。それが現在では1社のみです。
戦後50年続いた日本企業の勝ちパターンは、従業員を増やして売上を積み上げ、効率を高めて利益を伸ばすスタイルでした。しかし、このスタイルは2000年以降から次第に通用しなくなっていきます。
世界では産業構造の大変革が起こり、GAFAに代表される新たなIT企業群が影響力を持っています。圧倒的な成長市場を持つ中国企業がこれに続き、小売サービス業でもデジタルプラットフォームを握る企業が勝ち組にのし上がるゲームチェンジが起きたのです。日本企業はこの流れに完全に乗り遅れています。
それでは、もう日本企業に復活の目はないのでしょうか?私は決してそうは思いません。
先述の「デジタル競争力ランキング」でも日本は、教育/研究ロボット数で4位、テクノロジーの特許数で5位、ワイヤレス通信浸透率とソフトウェア開発で2位など、国民生活のレベルでは世界有数のデジタル先進国です。ただ、多くの企業はいまだに変化できていないのが現実です。
「日本人はコツコツ積み上げる文化で、急激な変化には対応できない」といった分析もありますが、これは思い込みに過ぎません。事実、新型コロナウィルスで出勤を控えてから、あっという間にテレワークに対応できたわけです。
その中でB&DXは、旧態依然とした日本企業の変化を導き、再び飛躍させることをミッションに2021年1月に設立しました。このミッションを実現するには、デジタル技術で作業を効率化し、働き方を変えていく「業務プロセスDX」と、新規事業を創造して企業の主幹事業に置き換える「ビジネスモデルDX」の両面からの変革が必要です。
私たちは「Journey to Transformation」をパーパスとして掲げ、顧客企業が持つ資産・ノウハウ・人材を最大限に活用しながら、SDGs時代の先も企業がその価値を発揮するために、大胆に生まれ変われるよう支援しています。
B&DXは「Journey to Transformation」をパーパスとして掲げ、ビジネス変革とデジタル革命の実現に向けて動き出している
常に最先端の市場を捉え、Transformationに導く
B&DXは広義にはコンサルティング会社ですが、みなさんが考える「コンサルティング」とはかなり違っているかもしれません。
一般的なコンサルティング会社は「企業の医者」ともいわれ、経営内容を診断して課題を見つけ、改善策をアドバイスしていきます。しかし、市場はとてつもない速さで展開し、課題が浮き彫りになった時点ですでに世界から取り残されるため、現状のスピードでは手遅れになります。
そのため、私たちはクライアントよりも先に、まずは市場を見るようにしています。市場がどう変わり、何を求めているのか――広範囲かつ徹底的に調査・研究し、クライアントが課題と感じるよりも先にギャップを提示し、変革の必要性に気づいてもらうのです。
これは言うのは簡単ですが、とても大変なことです。ある特定の市場に特化すれば、経験を積むほど仕事はラクになるかもしれませんが、過去の知識とノウハウが通用するほど、現在の市場は簡単ではありません。従来のやり方にとらわれず、絶えず新しいことを追求しなくてはならないのです。
また、コンサルティング業界には人事、経営などの「〇〇コンサル」といった、業務専門型の会社もありますが、私たちはあえて特化していません。
私たちは企業のTransformation(変革)をミッションにしているため特定の業務しかアドバイスできないようではTransformationへの先導はできません。世界の市場動向を探りつづけ、常に最先端の知識を仕入れるのは大変ですが、これほどエキサイティングな仕事もありません。
企業が大きく変革するには、経営トップが本気にならなければなりません。「日本企業は簡単には変われない」という声もありますが、優れた経営者は私たちが思う以上に世界を見ていますし、現状に危機感を抱いているものです。
その中で私たちの役割は、そんな経営トップの本気を引き出すことです。経営トップが本気になれば、次は役員陣、現場とその本気度は広がっていきます。
「変わること」は誰にとっても挑戦であり、その壁が高く大きいほど踏み出すことへの躊躇もあるはずです。その壁を乗り越えるには、何よりも「成功体験」が必要です。どれだけ本気を引き出しても、結果が出るまでは心のどこかに「本当に変われるだろうか?」という疑心暗鬼があるものです。
ある監査法人のDXを手がけた時に、こんなことがありました。監査法人は会計士が企業の監督業務を行う「究極の専門職集団」です。監査基準の厳格化や業務の多角化に伴い、監査業務は年々膨大かつ複雑になっていますが、この業界ではデジタル化はほぼ手つかずの状態でした。経営トップは決断したものの、現場ではスペシャリストとしてのプライドから「我々の仕事は簡単にデジタルに移行できない」と、受け入れてもらえなかったのです。
そこで、私たちはまず「専門性が必要な業務と、そうでない業務を分けましょう」と提案し、デジタル化を徹底して進めました。それまで会計士の現場では、資料整理などの作業は若手スタッフがやっていました。帳簿とにらめっこをして数字を漁り資料にまとめ、準備が整ったところで先輩の会計士がそれをチェックし、「プロの目」で精査が必要なポイントを見つけ出すのです。
私たちは早速システムを構築し、仕事のほとんどをデジタル化する提案をしました。デジタルに帳簿データを読み込ませ、キーを押すとこれまで若手スタッフが夜通しでつくっていた資料が1分とかからず出来上がりました。
「こんなに速くできるのか」と、その監査法人では驚嘆の声が上がりました。これが最初の「成功体験」につながるわけです。会計士はより専門性を必要とする業務にリソースを充てられ、監査の質を高めることができたのです。
テレワーク下でも企業の人材管理がしやすくなるソリューションを開発
DXならではのアプローチからSDGsに貢献する
SDGsとDXの関連性についてもお話します。SDGsが掲げる17の開発目標は、デジタル技術を用いることで、たちどころに解決できる分野がたくさんあると考えています。
例えば第3の目標「すべての人に健康と福祉を」では、中国で平安保険グループが「平安好医生」というアプリでほぼ実現しています。
健康に不安がある人がオンラインで受診すると、AIが各種データから前診断をしてくれます。簡単な病気や慢性的な症状の場合は、処方箋だけ欲しい人も多く、大半がAI診断だけで終了するようです。その上、症状に応じてAIが最適な医師を選んでオンラインでつなぐわけです。
このアプリがあれば、最適なマッチングで医師が専門外の診断をするケースがなくなり、患者のたらい回しも解消されます。現状では手術が必要になると、医師がいる病院まで移動しなければなりませんが、遠隔手術ができる設備が普及すればいずれそれもなくなるでしょう。
ほかにも、第4の目標「質の高い教育をみんなに」では、世界で多くの大学が無料で学べるオンラインコースを開設しています。インターネットが世界の隅々まで行き渡れば、僻地にいても、学費がなくても最高学府の教育を受けることができるのです。デジタルによって、需要があっても供給できなかったところにサービスを届ける仕組みを作ることで、より良い世界が実現していく――これもまた、私たちが掲げる「Journey to Transformation」の未来です。
B&DX はこんな会社!
PR・マーケテイングを担当する市川さんにお話をうかがいました
市川さん
コンサルタントの領域が広げられた
私は前職も大手コンサルティングファームに所属していましたが、そことの違いをお話しできたらと思います。
一番大きな違いは、仕事の領域の広さです。前職では1つの企業に対してコンサルティングを行なってきましたが、B&DXでは今後の世の中でどのようなものが求められるか考えたり、会社のホームページの作成やPRの対応など前職では経験できなかった領域の経験を積むことができています。
1人のコンサルタントとして、経営者の方々と仕事をすることを考えたとき、1つの業務だけをやっていくよりも、さまざまな領域の業務に関わっていける方が将来的にも財産になる経験ができていると思っています。
B&DXが求める人材
私たちが求める人材は、次の時代を生き抜く探求心や、世の中のニーズを大きくとらえ、今後の世の中の将来像を描くことのできる人たちです。
当社は2021年1月に設立されたばかりですが、スタッフの半分は若手、もう半分は実績のあるベテランとバランスが取れています。みなさんには、自分が若手だと気負わずに堂々と自分の意見や考えをぶつけてください。
当社に入った人たちは、どのコンサルティング会社の若手よりも多くの場数を踏み、大きく成長しています。
コンサルティングの仕事は毎日が勉強の日々です。決してラクではありませんが、この環境を楽しめる人はぜひ当社の門を叩いてください。
『こんな会社で働きたい SDGs編2』より転載。
B&DX株式会社
取材日:2021年9月14日
代表取締役社長:安部 慶喜
設立:2021年1月
業務内容:Business(ビジネス)とDigital(デジタル)の両面から顧客企業のTransformation(変革)に向けたコンサルティングとサービスを提供