常務取締役 山口 潤さん
株式会社第一住建ホールディングス(本社 大阪市中央区 代表取締役 松尾 武)は、不動産事業を展開している。今年で創業51年目を迎えた。パーパスとして「より新しく、より豊かなライフスタイルを提供し、多くの人に選ばれ愛され続ける企業となる。」を掲げ、ステークホルダーに新しい価値とサービスを提供し続けている。
健康経営にかける企業としての想い
今回、同社は「健康経営優良法人2023年(中小企業部門)」の認定を受けた。「健康経営優良法人」に認定されるのは昨年に引き続き2年連続となる。
「一生涯のパートナー」を経営理念として掲げており、「クライアントのライフスタイルに寄り添いながら価値の高いサービスを提供していくために、社員一人ひとりが心身ともに健康であることが大切」と同社の常務取締役である山口氏は笑顔で話す。
2022年より常務取締役の山口氏が中心となり、社内に健康経営チームを立ち上げた。会社として社員のセルフケアを応援すべく、さまざまな健康増進・疫病予防に資する取り組みを行っている。
その取り組みを開始した背景として、10年前に創業社長が病に倒れ、急遽2代目社長が引き継ぐということを経験し、代表自身も健康の大切さを非常に実感したという。
そこからの取り組みとして、35歳以上の社員は会社負担で人間ドックを受診できる制度をつくり、また産業医とも相談し性別によって受診できる項目を選定した。
また健康管理アプリである「グッピーヘルスケア」を社員の意見から導入。毎日の食事や歩数計の記録機能もあり、ゲーム感覚で楽しみながら使えるというのが導入の理由だ。現在社内利用率は100%。そこから共有される歩数ランキングを通して、コミュニケーションを社員同士が楽しんでいる。
また、自動体外式除細動器(AED)を2023年3月に大阪本社に設置し、その講習会の実施にも取り組んでいる。名古屋と東京支店でも設置が完了し、今後は各支社でも順次講習会を実施予定だという。
また、同社はフィジカルな健康だけではなく、メンタルの健康にも注目している。社員には「必ず定時」を意識できるようにしている。終業時間には声掛けを行い、業務量の調整などをすることで社員の負担にならないような工夫も試みているそうだ。
しかしながら繁忙期にはクライアント対応が求められ、社員はその対応を優先することが求められる場合もある。しかしその際も「なぜ残業が必要なのか」を明確にして上司に報告が必要だという。社員が自身に対しての健康を意識してもらうため、常に経営層が働きかけをしている。
同社が提供するものは不動産という高価な商品であるため、プロ意識をもっていることが必要となってくる。そのための学びや、自分で気づく力も社員として求められることであり、勉強時間や家族の時間の確保など、社員のウェルビーイング向上に重きを置いている。
社内コミュニケーションを活発化
社員のコミュニケーションを促進するために、毎月「革新企画」という、小革命、中革命、大革命というネーミングですべての社員が参加できる企画提案の機会を作っている。「INOVE AWARD(イノベアワード)」も年に一度開催し、他部署のメンバーと連携して企画を出し、最終的に社員が集まることができる規模の会場でプレゼン大会を実施している。普段のコミュニケーションをポジティブに、より良くしていくことでメンタルの健康に配慮している。
新しく会社に入社する社員には自社の価値観として、パーパスとコアバリュー(品格、革新、専門性、一体感、顧客目線)を必ず伝え、実際にそれが求められるシーンを会社側で考えているという。
コアバリューの浸透と実践は難しいものだが、心理的安全性を醸成させるための一環として、同社は1on1面談を毎月一度行っている。新しくマネージャーになった社員もいるので、そういった環境も考慮しマネージャー同士の情報共有も積極的に行う。社員からの質問に対して、どういう回答が適切なのか、自分ならどう回答したのか等、お互いのフィードバックを元に具体的に決めている。
同社はグループ会社内でそのすべてのマネージャーが情報共有をしている。普段はSNSのグループチャットなどでやりとりをし、「一枚岩」を意識しているという。グループ会社とはいえ、業務内容が違っていたり、M&Aで加わった会社もある。だからこそ「言葉を揃える」ということを大切にしている。
会社の未来をつくっていくための40歳未満のメンバーが集まり、「これからの第一住建グループ」を本気で考える会議を2週間に1回代表が自ら開催している。他社見学等も行い、社内・社外のニュースなどを作成、発行している。
「心身ともに健康である状態を社員が継続することで、社内も強化される。より新しく、より豊かなライフスタイルを顧客に提供するために、まずは私たちのウェルビーイング経営を次の時代に向けてしっかり進めていきたい」と朗らかに山口氏は語った。同社は社員と顧客の幸福を追求し続ける企業として、更なる成長を目指す。