株式会社ブレーンナレッジシステムズ|「答え」が見つかる会社。自分が望む道へのチャレンジの先にあるもの

「スキルアップ=転職」のイメージがあるエンジニア職。一つの会社でできる仕事の幅は狭く、ステップアップも難しい。新しいことにチャレンジするために、別の会社に移ることが一般的になっています。
ブレーンナレッジシステムズは、経営コンサルからシステム企画、保守運用まで包括的に企業の課題を解決するヒューマンクリエイショングループ(以下、HCグループ)の中核企業。お客様の規模や業界などさまざまな案件を扱うグループの中で、ITシステムの設計・開発を担っています。
そうした背景から、エンジニアが受ける仕事も多種多様。挑戦したい領域の仕事をし、より上位のフェーズに挑戦する。そうした働き方が推奨されています。
そして、本人の希望に沿った道へと後押ししてくれる環境は、自分自身の「答え」を見つけることにもつながる。「働く人が望むすべてに最大限応え続ける会社でありたい」と語る下田昌孝社長と、人事部の宮坂尚史さん、藤原未菜実さんに、「一緒に答えを探してくれる会社」についてお聞きしました。

【インタビュー】

代表取締役社長 下田昌孝さん

 

人事部部長 宮坂尚史さん

 

人事部人事課 藤原未菜実さん

転職をせずにスキルアップ・ステップアップができる

下田 当社の働き方の特徴を一言でいうと、「いろいろできる」になると思います。
まず、エンジニアの視点で考えると、客先常駐型と請負型の両方の仕事があります。ブレーンナレッジシステムズ(以下、BKS)は、ヒューマンクリエイションホールディングス(以下HCH)が統括するグループの1社で、グループにはほかに6つの事業会社があります。IT分野のコンサルティングやシステムの企画、設計、開発、保守、運用などそれぞれ担当領域が異なっており、BKSはITシステムの設計・開発を主としています。
こうした体制の中で、HCグループ内のほかの会社が受託した仕事を受けることもあります。例えばアセットコンサルティングフォースという会社がコンサルティングとしてフロントに立ち、設計をBKSのメンバーが行う。お客様に対して入り口から出口までを一貫してサポートできるので、一社だけでは受注できないような規模の案件も受けられるんですね。
また、お仕事を受けるお客様の業界も絞っていません。金融系もいらっしゃれば、物流系もいらっしゃいます。これは経営的な強みでもあると思っています。痛感したのは、HCHが東証マザーズ(現グロース)に上場したときです。当時は新型コロナ禍の真っ最中で、コロナの影響が直撃した業種のお仕事は減少した一方で、別業界のお客様からの仕事は増えました。投資の世界では「一つのかごにたくさんの卵を乗せるな」といいますが、多業種の仕事を受けることには、リスク分散の面もあるんですね。
それから、当社は地方拠点もたくさんあります。東京、北海道、東北、関西、福岡、名古屋と6つの支部があり、地域を理由にした待遇差は基本的にありません。例えば、北海道の案件でプロジェクトマネージャー(以下PM)が足りないときに、東京からアサインできる。その逆もしかりです。一つの会社拠点では失注してしまう状態でも、ほかの拠点があることで受注できます。リモートでも仕事ができるIT業界のメリットですね。

藤原 社員にとっては、自分がやりたいことにチャレンジできる環境です。他社の場合、特にエンジニア職では、一つの会社で自分の行きたい道に進むのは難しいことが多いんです。
仕事の選択肢が少ない会社では、一つの言語や経験で上達できても、横の展開がありません。「自分のしたいことを会社に伝えても聞いてくれなかった」とか、「自分の役割を一つに決められてしまった」といった悩みから、当社に転職してくる方も多くいらっしゃいます。
その点、当社では「あなたは何がやりたいですか?」から始まります。あるいは、「一度やってみたけれど違う道のほうが合っているかもしれない」ということもありますよね。それぞれに合わせて、会社が進む道を提供してくれます。場合によっては、グループの別の会社に移ることもあります。形式上は転職という形にはなりますが、知っている相手もいるので安心です。

宮坂 エンジニア職の場合、社内でのステップアップが難しいという側面もあります。一般的に、未経験の人はPG(プログラマー)としてプログラミング言語を用いてコードを書くことや完成したシステムを検証することからスタートし、その経験を活かしてSE(システムエンジニア)として実際にお客様と対話しながら、お客様のニーズに基づいたシステム設計をしていく。さらに、スケジュール通りに品質よくプロジェクトを進めていくPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)へとステップアップしていきます。
でも、小さな会社では、こうした階段を十分に用意できていないことが多いんですね。逆に大きな会社ではセクションがはっきり分かれていて、それを超えようと思うと、異動になったり、目指すポジションが空いていなかったりします。
そうした背景から、ステップアップしたい人は別の会社にチャレンジしていくという構図になっているんです。それが弊社の場合は、一気通貫でステップアップを実現できる。ベテラン層、ミドル層、経験の浅い人、それぞれに合ったポジションで働いてもらうことができます。

「やりたい仕事にチャレンジする」を支える仕組み

藤原 求人面接を行うときには、今後どのようになっていきたいのかのヒアリングを一番大事にしています。「大きい案件をやりたい」というよりも、自分の目指すキャリアプランを重要視している方が多いですね。

宮坂 自分の手で何かをつくりたい、お客様といい仕事をしたい、お客様の喜ぶ顔が見たい、といったことをよく聞きます。それを実現するためには、やっぱり自分の技術を上げないといけない、だからこんな仕事をしたいんだという順番で、皆さん考えていらっしゃいます。

下田 個人の希望については、評価面談などで上長に伝えることもできますし、営業担当者がこまめにフォローして、本人の希望を聞き出して経営陣とも共有しています。もちろん100%応えてあげられるかというと難しいところですが、全社的に「やってみたいならやってみようよ」という意識が強いですね。
そうしてチャレンジしたとき、できるかできないかは、結果に過ぎません。もちろん上司がついていますので、まずくなったときは手を貸します。BKSは設立から50年経ちますが、ホールディングス化したのは2016年です。組織も成長途上ですから、社員もそうした意識でいいのかなと思います。

藤原 チャレンジをする中では、やっぱり迷うことや悩むこともある。そのとき、すぐ周囲に相談できる安心感もありますよね。

宮坂 当社は一人ひとりの顔が見える環境だと思います。誰かが悩んでいる様子だったら、相談に乗ることはもちろん、「そのことだったら、あの人に相談してみたら」といったアドバイスも頻繁に聞こえてきます。

下田 BKSの上司でなくてもグループの中の別の会社の人が相談に乗ってくれることもあります。グループで仕事をするからお互いに顔も知っているし、企業文化も似ているので、他社の人という感覚もあまりないでしょう。
当社では、グループ会社になる前から、未経験者を採用して先輩が面倒見るという文化がありました。人を放っておけない、助けてあげたいと思える人たちがいる。優しく教えることもあれば説教することもありますが、いい方向に向かうためのサポートが自然に生まれています。

宮坂 私も含め、マネージャーの立場としては、いい意味でメンバーに興味を持たなければいけませんね。例えば、いつも週報にコメントを10行書いていた人が3行になったのであれば、「あれ? なんかあるんじゃないか」と気に掛ける。あるいは、自分が伝えたことを受けて部下がどう行動しているかを観察する。そのうえで会議などでも頻繁に顔を合わせて、部下の変化に対応しようという意識が必要です。

働く人が望むすべてに最大限対応し続ける

藤原 成長やチャレンジといった方向性ももちろんですが、それに限らず自分の価値観に合わせて道を示してくれる環境でもあると感じます。どんどん成長していきたい人にはその道を示してくれるし、いまは足場を固めていきたいというのであれば、それも大事にしてくれますよね。

下田 人それぞれ、自分の望む道があります。会社が「こっちだろう」「そうじゃない」と決める話でもありません。本人が思う形に近いところに着地させてあげられたらいいなと思っています。
簡単に言えば、多様性を受け入れるということなんだろうと思います。SEとして自分の専門性を高めることで会社に貢献するのも一つ。一方で、PMがいなければプロジェクトが膨らんでいきません。両方必要なんですね。個人の希望をかなえてあげることで、本人も会社もグループも成長する。その選択肢を用意するのが、経営陣の仕事だと考えています。

藤原 多様性を受け入れるという視点では、労働条件なども含めて会社側が後押ししてくれています。例えば、2024年の4月からは再雇用の年齢を延ばすことが決まりました。当社では定年が60歳で、これまで再雇用は65歳まででしたが、70歳までになります。年齢で線を引くのではなくて、まだやりたい、役に立ちたいという方には存分に働いてもらいたいですよね。それに、男性の育児休業の取得も多くなっています。

宮坂 当社には拠点が複数あるのも大きいですね。例えば東京で働く人が地元に帰りたいと思っても、東京にしか会社がなければ、辞めて戻るしかありません。その点、当社では「北海道の拠点でやりましょう」という方法を提供できる。実際に、毎年2人くらいは拠点間で異動しています。

下田 みんなが働きやすいよう、コンプライアンスの遵守も重視しています。最近はそうでもありませんが、IT業界にはブラックなイメージがありました。目の下にクマをつくって、終電でも帰れない。そんなのは絶対にやめようということで、HCグループ全体の取り組みとして残業の時間も全部チェックしています。
いろいろな面から、働く人が望むすべてに最大限対応し続ける会社でありたいと思っています。当社の場合は、社員が成長していかないとビジネスはうまくいきません。HCグループの理念も「ITと人財で未来を創造する」としています。「人」がすべての中心であり、宝である。ほかの会社でも聞くことかもしれませんが、そこを外して話はできません。
社員の満足度が上がれば、おのずと仕事にのめり込む。結果、お客様の課題を解決できる。そうしてお客様とのパイプが太くなれば、いろいろな案件を受けられる。だからさらに社員の満足度と成長に貢献できる。そうしたサイクルになればいいなと思います。
ただ、会社が人を大事にしていることをみんなにうまく伝えることも課題ですね。そのために、われわれ経営陣が工夫をしていかなければいけません。

会社が求めることが明確にわかる評価基準

宮坂 社員のやりがいや満足度という点では、評価制度も大事です。エンジニアの皆さんからの評価への不満には、「自分はこんなに頑張ってお客様にも評価してもらっているのに、会社は何を見てるのか」といったことが多い。実際にはお客様からの評価はもちろん、上司や一緒に働いている人からもヒアリングして評価の基準の一つとしています。
そのうえで、評価の軸としてコンピテンシーを用いた制度を採用しています。これはハイパフォーマーの行動特性を体系化して整理したもので、弊社オリジナルの基準をコンピテンシーディクショナリーとしてまとめています。
各社員は、コンピテンシーディクショナリーを基準に半期ごとに自己実績評価シートを提出します。自分は各項目についてどのように考え、行動したのかを自己分析したうえで、上司との面談を通じてフィードバックを受けることができます。
これを中心に置くことで、上司としては基準がぶれません。部下もどのような基準で評価されているのかがわかるので、納得感にもつながります。

下田 重要視しているところは、結果ではなくて行動です。結果は後からついてくるもので、条件によってはうまくいかないこともあります。だからアクションを評価する。本人の行動が会社が求める方向と同じならAをつければいいし、「頑張ってくれたけど、ちょっと方向が違うんだよな」となれば、軌道修正してあげる。コンピテンシーディクショナリーは、そのための物差しです。

藤原 会社によっては、評価制度があいまいで不明瞭なこともありますが、当社では全社員がいつでも見ることができます。いま、自分が何を求められているのかが文面としてわかるんです。そのうえで、自分がどう行動しているか、どうチャレンジしているかを評価してもらえる。失敗してもその過程を見てくれるので、臆せず新たなチャレンジができます。

下田 コンピテンシーディクショナリーの各項目は、従業員にポジティブに噛み砕いてほしいと思っています。中にはネガティブな人もいて、「これ、全然できていない」ということもあります。そうしたとき、解釈に幅を持たせておくことで、上司が「これはこういう意味にも考えることができるよね」とアドバイスもできる。その過程を通してディスカッションが生まれますし、相互理解も進んでいきます。

宮坂 直近にも、エンジニアの方から人事部に「コンピテンシーディクショナリーのこの項目をどう考えたらいいか」と相談がありました。どう噛み砕いて具体化するか、具体化したものをどう実践していくか、自分で考えることで、行動の軸のようなものが見えてくると思います。

下田 この評価制度では、特にマネジメント部分を重視しています。スペシャリストではいけないということはありませんが、マネージャーになってメンバーを育てて、そのメンバーがまたマネージャーになってくれれば、生み出す成果がより大きくなっていきます。
ただ一方で、社員からは「技術面も見てほしい」といった声もあります。そうした要望にも応えていかないと、仲間と喜びを分かち合えないのではないか。そうした議論から、スペシャリスト認定制度が生まれました。
その人がどれくらいのスキルがあるのかを会社が認定するもので、シルバー・ゴールド・マイスターの3段階があります。「この領域でわからないことがあったら、認定された人に聞こう」といった位置づけで、記念盾と一時金を提供し、名刺に認定マークを乗せることもできます。

宮坂 スペシャリスト制度は、認定されることで給与が上がるといったことではなく、本人の気持ちの部分に貢献するものです。これとは別に、2024年の4月からは、エキスパート職を設けます。こちらは給与体系も含め、技術面に特化して評価していきます。
このように、当社ではマネジメントを重視した行動面と、技術面の両方で評価していきます。その仕組みが非常にわかりやすいという声を、皆さんからいただいています。

自分の軸が「働きやすい環境」をつくる

下田 社員の皆さんには、働きやすい環境を自分でつくる努力もしてほしいと思います。経営側で最大限のことはやるつもりですが、約1000人の社員に1000通りの働き方の提供はちょっと難しいんですね。
要は声を上げてほしいんです。できれば自分だけではなく、少し主語を大きくして、「こんなことができたら、“私みたいな人”が幸せになれるよね」と。
経営側は、どうしても「今月の利益が…」「人が減っちゃった」といった思考になりがちです。普段そうした会話ばかりしているから、頭が凝り固まってしまっているんです。でも、行き着くところは社員の皆さんが望んでいることと同じです。言葉にして伝えてもらうことで、経営側もそうした視点があるんだとわかります。

宮坂 いまは多様性やダイバーシティーという言葉がよく使われますよね。自分らしい働き方がわからない人の中には、「この会社は多様性を受け入れていない」と環境のせいにする人も少なからずいます。事実、その側面もあるのでしょうが、自分が何をしたいか、そのために何が必要なのかを考えることも大切だと思います。

藤原 人は何かをしたいという思いを絶対に持っています。当社は、仕事を通して自分の思いをどう広げていくかという部分に、会社全体でフォローしてくれます。
私も自分の軸をずっと迷わずに持っていようと思います。前職では、人材紹介会社で働いていました。会社にとっては、紹介した方が企業に入るところがゴールです。でも働く人にとって大切なのは、会社に入ってからですよね。なのに、どうしても一定数、早期退職する方がいらっしゃいます。
そのミスマッチをなくしたいと考えたときに、企業側に入って、その人に合った道を提供していきたいと思いました。当社は人をすごく大切にしていて、自分がやりたいこととマッチしていると感じて入社を決めたんです。
どの会社でも、主体性が必要だと言われると思います。その通りだと思うし、主体性を持って動くのは楽しい。会社から言われることばかりで自分のやりたいことができないという人もいるけれど、自分の軸をしっかり持っていれば、いろいろな形での自分らしい働き方が見えてくると思います。

宮坂 私は、自分がこうなりたいというよりも、相手を伸ばしてあげたい、引っ張ってあげたいという思いのほうが強いのかなと思います。人事や上司といった立場とは関係なく、ずっと自分の考えるスタンスでいたい。それがこの会社の雰囲気に合っているのかもしれません。社員それぞれが自立して、誰かがうまくいってないときは引っ張ってあげる、自分がうまくいってないときは誰かに引っ張ってもらえる。そうした関係性をより強くしていくための力になりたいと思います。

自分にとっての「答え」が見つかる会社

下田 われわれのグループでは、「答えを創る会社」とうたっています。単なるシステム開発会社でもなく、単なるエンジニア派遣会社でもなく、答えを創る。その答えを教えてくれというお客様もいらっしゃいますし、選択肢が欲しいというお客様もいらっしゃいます。答えはわかっているから売り上げにつなげてくれ、という場合もあれば、答えを一緒に探してほしいということもあります。
いずれにしろ、きっと答えはお客様の中にある。その答えにお客様が気づいていないのであれば、お付き合いの中で一緒に見つけていくものなんだろうと理解しています。
こうして話していて、われわれがお客様に提供しているものと、社員の皆さんに提供したいと思っているものは似ていると感じました。社員にもいろいろなタイプがいます。自分のやりたいことに突き進みたいという人もいれば、仕事を通して自分の答えを見つけようとしている人もいるのかもしれません。
先日ご縁をいただいた方は、前職で超大企業にいらっしゃって、マネージャーになるか、子会社に出向するかを迫られたそうです。まだまだ一線でやりたいということで、当社を選んでいただいた。その方は、いままでの自分の経験やスキルがBKSでの仕事にフィットしたときにどんな仕事ができるのか。その結果を見てみたいとおっしゃっていました。

宮坂 確かに似ていますね。今期は、10名弱のPM・PL層に入社していただきました。その方たちと話していると、これまで経験を積む中で答えだと思っていたことが、BKSでの仕事を通して変化していくと感じることがあるようです。そのタイミングで会社が新しい答えを示すことも、一緒に見つけていくこともできますよね。
今日は当社について、いろいろな仕事ができる、多様性を受け入れてもらえるとお話ししてきましたが、当社で働くことの魅力はここにもあるのだと思いました。仕事を選ぶときにはどうしてもお金に目線が向きがちで、もちろん私たちもそれに応えていきたいと思っています。でも当社の一番の魅力はそこではない。お金では満たされない部分を大事にしていきたいですね。

藤原 一人ひとりを認めてもらえる。自分の考えを聞いてもらえる。それがいい考えだったら取り入れてもらえる。助けが必要なときはサポートしてくれるし、自分で頑張りたいときは頑張らせてくれる。うちの会社は、社員の進みたい道を提供してくれながら、それに限らずまた別の可能性も一緒に探してくれているんだなとわかりました。

宮坂 だからこそ、いい形での入社やステップアップが増えてきているのかもしれません。実力を持っているけれど、その生かし方がわからないことだけを理由に、組織の中でうまくいかずに悩んでいる人も多いですよね。そういう方たちに来てもらえると、すごく嬉しく思います。答えは見つかっていなくてもいいんです。それを探したいという気持ちさえあれば。

 

関連記事