2024.10.30

三和建設|一人ひとりが主役。社員の挑戦と成長を後押しする「ひとづくり」とは

どんなモノもサービスも、それらを創造し、動かすひとがいなければ始まりません。会社を発展させるために必要なのは、社員を守り、育てること。その環境が挑戦するひとをつくります。

三和建設は、食品工場・機能倉庫・社員寮の建設を中心にトータルソリューションを展開し、78年の歴史を誇る建設会社です。社員が安心して仕事に挑戦できる環境は、一人ひとりが自律的に働き、輝ける舞台となります。

業界において長年の課題であった労働環境の改善に取り組み、社員が縦と横のつながりの中で成長する環境づくりを目指す三和建設の「ひとづくり」について、執行役員/アシスト本部長の森本育宏さん、社員の駒切佑香さん、今堀駿吾さんの3名にお話しを伺いました。

 

【インタビュー】

執行役員/アシスト本部長 森本育宏さん

大手企業に負けない専門性を誇りに

三和建設は、事業領域を食品工場、機能倉庫、社員寮の建設に絞ることで、付加価値を生み出してきました。正直、大手企業には知名度や売り上げ、全般的な技術スキルでは敵いません。ただ、食品工場などの我々が専門としている分野に関しては、大手企業と対等に戦えると自負しています。

例えば、花粉症で悩んでいるひとは一般的な耳鼻科より花粉症専門の耳鼻科に行きますよね。同じように、何か課題を抱えている企業は、その課題に応じた解決策を求めています。特定の課題に対して、弊社のように専門特化したゼネコンがいれば、ご相談いただけるだろうと考えました。

食品工場に着目したのは、食品は需要が比較的安定しているからです。人口減少で国内の需要が減退していくとしても、スピードが緩やかですよね。

また、食品工場は中規模程度に収まりやすいという利点もあります。例えば、コンビニのサラダなど賞味期限が短い食品は、一拠点大量生産はなかなか難しい。そのため、一定の距離でいくつか拠点を作りますが、その場合、工場の建築規模は中規模になります。ここが、大手企業が参入しにくいポイントになります。

こうして食品工場に専門特化した結果、「食品工場建設といえば三和建設」と言っていただけるようになりました。この事業領域では大手と対等に戦える。弊社ならではの強みを発揮し大手企業にも負けないということは、社員の誇りにもなりますよね。専門性を生かして会社を発展させ、社員のロイヤリティも高まる戦略です。

ワーク・ライフ・シナジーを生み出す環境

建設業界は一般的に労働環境が過酷なイメージがあるのではないでしょうか。実際、建設現場は月曜から土曜の週6日勤務が通例です。土日祝日に閉所できている企業は、業界全体で3割程度と多くありません。

週6日勤務が脱却できない理由は3つあります。人手不足、逼迫した工期、職人の収入減です。

実際の現場で施工にあたるのは職人の方々です。いまは減りましたが、昔は日雇い労働が多く、職人たちは週6日働くことによって収入を増やしていました。さらに、週6日稼働しないと工期に間に合わないような状況もあり、週6日勤務が当たり前な時代が何十年と続いていました。

我々は「ワーク・ライフ・シナジー」という言葉をよく使います。仕事を充実させつつ、プライベートを大切にするということですね。週6日働くと頭も休まらないし、趣味や家庭など、生活を楽しむ時間が取れません。仕事に打ち込むと同時に、仕事以外の時間も大切にすることが重要です。

弊社の土日祝日の閉所は3年前から段階的に達成率を上げてきました。直近期の1年間で、弊社の作業所の96.2パーセントが達成しています。業界全体の達成率の低さを考えると、かなり高い水準です。

残業の抑制にも積極的に取り組んでいます。昔は青天井でしたが、現在は平均で20時間程度。 竣工といって、建物の引き渡し前になるとどうしても忙しくなりますが、業界的には平均40時間ですから、かなり少ないほうだとおわかりいただけるでしょう。

なぜ弊社がそれだけ削減できているかというと、一つはIT化の取り組みです。 デジタルを駆使してさまざまな業務にかかる時間を短縮したり、利便性を上げたりすることに取り組んでいます。

例えば、建設現場の入場者名簿の作成です。何か事故が起きた時のために、入場者が100人いるなら100人分の名簿が必要になります。この名簿作成だけでも相当な業務量なのですが、こういった作業にITを活用して業務効率を上げています。

待ったなしの人材育成と技術の伝承

特に中小企業の建設会社にとって、後進の育成は喫緊の課題です。大手企業はデータベースが大きく、マニュアル化が進みやすいために人材育成に長けていると言えます。しかし、中小企業はこうした体系的な技術の伝承が難しく、属人的になりがちです。弊社はそこに課題を感じていて、人材育成に力を入れてきました。

上図は縦軸を「専門技術力」、横軸を「統合力」として人材が持つスキルレベルを表しています。「専門技術力」は文字通りで、「統合力」はマネジメントなどひとを巻き込む力のことを指しています。

灰色の大きな円が大手建設会社の持つ人材力ですね。大手企業は専門技術力、統合力ともに幅が広いのに対し、中小企業の人材力は、社員数や請負の金額により、その下の小さな円に収まってしまいます。

大手企業に負けることなくお客様に選ばれるためには、中小企業の円に収まらずオレンジの円に到達するような、専門技術力と統合力を合わせ持った人材を育成する必要があります。

そこで、ワンステップ高いレベルの人材育成を目指しているのが、SANWAアカデミーという取り組みです。毎月の第3水曜日の午後に、ベテラン社員が講師を務める講義を若手社員向けに開講します。

60のシラバスから構成され、各工事の管理ポイント、工程表や施工図作成、設計スキル、建築基準法の理解など、実際の建設に携わる具体的なスキルを学べる仕組みで、受講生は興味のある講座を選ぶことができます。8割は建築系の内容ですが、デジタル化や財務のポイントなどの全般的なトピックを扱うこともあります。

建築に関する今年の流行りや建築現場で最近起きた事故事例など、時事ネタを扱うこともありますね。タワークレーンが倒れる事故があった時は、アカデミーで仮設資材の設置や、重機の配置計画を講義に盛り込み見聞が広がりました。

ゲスト講師を招くこともありますが、基本的に10年目以上の社員が講師を勤めます。10年目の社員が5年間アカデミーで教えたら、5年目社員だった受講生は今度10年目になるので、次に講師役ができますよね。受講生だった社員も、教えてもらったことに自身が5年間経験してきたことを上積みできる。そうやって、講師が入れ替わりながら内容をブラッシュアップしていくことで、確かな技術を伝承していくことができます。

社員寮で育む人間関係

人材育成のもうひとつの取り組みが、「ひとづくり寮」です。新入社員向けの社員寮で、1年目は必ず入寮し、最長5年間入居できます。

建設会社は横のつながりが非常に重要です。住宅メーカーだと半年程度で建設が完了しますが、弊社は一つのプロジェクトに設計から竣工まで2、3年かかります。関わるひとの数も非常に多い。

さらに、作業所も各所に点在しています。日々それぞれの拠点を担当しながら、一気通貫した建築プロジェクトとして仕事を捉え、社員同士でコミュニケーションをとることが欠かせません。

社員同士の横のつながりを強めるには、まず同期との関係作りが重要だと考えました。10名程度の新入社員同士、一つ屋根の下に住むことで信頼関係を築く仕掛けです。

これは同時に、社員の定着のための施策でもあります。新入社員にとって、初めての仕事は毎日わからないことだらけですよね。初めは英語を聞いているかのように先輩社員の話していることがまったく理解できない。同期も同じ境遇です。寮に帰ればお互いの悩みを相談し合ったり、質問できたりもするでしょう。もし一人暮らしや実家住まいだったら、相談するひとが一人もいません。孤独感や閉塞感を抱えてしまうかもしれない。新入社員をそんな状況に陥らせないためにも、 1年目は必ず入寮としています。

寮の1階はリビングやキッチン、ダイニングなどの共有スペースになっており、その空間を通らないと居室に行けない設計にしています。静かに帰ってきて部屋に閉じ籠るなんてことはできません。また、居室の設備はシンプルにしてあるので、交流の場を1階に設けることで、自動的に1階に降りたくなるように工夫しています。

交流を促す仕掛けとしては他にも、週に1回の食事提供があります。企業主導型の事業所内保育園「りんごぐみ」の調理師さんと、弊社の社員数名で週に1度食事の作り置きをしています。新入社員はまだ貯金も少ないですし、規則正しい食事を摂っていないことも多い。食事を用意しておけばみんなで集まって食べますよね。

さらに、食事提供の日に合わせて、月に一度は我々幹部が入れ替わりで幹部塾を開いています。会社の歴史や 知見を話して交流する場です。こうした交流の機会を積極的に設けることで、若手社員の横のつながりを醸成し、弊社の目指す人材育成につなげています。

このような取り組みを通じて、社員には安心して仕事に打ち込み、充実した生活を送ってもらいたいと考えています。

 

設計グループ 駒切佑香さん(2021年入社)

入社後に驚いた労働環境への「意識の高さ」

新卒で入社し、今年4年目になります。現在は設計に携わっていますが、もともとスタイリッシュな建物やすてきな内装に興味があって、建設業界を選びました。

業界に対して、土日出勤があるというイメージは持っていましたね。街中を歩いていても、建設現場で週末に作業されているのを大学生のときから見かけていたので、覚悟はしていました。

しかし、選考の際に先輩社員の方に休日出勤についてお伺いしたところ、休日出勤をすることはあるけれど平日に振替休日がとれるようになっているとお聞きしました。社員の方が休める環境を作っていることが入社前にわかって安心しましたし、入社後にギャップを感じることもありませんでした。

弊社は残業の抑制にも力を入れています。例えば、夜8時にはパソコンが自動的にシャットダウンされて、それ以上の残業はできません。同じ業界に入った友達の中には残業漬けというひともいるので、自分の会社は特に意識が高いんだなと驚きました。

就業後や休日などに自由な時間が取れたら、趣味のヨガを楽しんだり、友人と食事に行ったりしてリフレッシュしています。

労働環境の改善によって自由な時間が確保できることは、仕事の成果につながる部分もあると感じています。例えば、建築雑誌を見る時間が増えたり、さまざまな建物を見に行く時間が増えたりしますよね。時間があると心の余裕もできる気がします。プライベートが充実することによって、仕事にも前向きに取り組むことができ、より楽しい人生が送れるのではないかと感じています。

現場で生きる座学の講義

私は設計担当で、建築基準法などの専門的な分野をはじめ、勉強が必要なことがまだまだあります。SANWAアカデミーでは、先輩社員にそういった専門的なことを講義で教えてもらえるので、とても良い学びの機会になっています。

特に1年目は入りたてでまったく何もわからない状態だったので、この取り組みが非常にありがたかったです。当時は工事の担当で、図面の見方などをアカデミーの講義で事前に学ぶことができました。実際に現場に出る前に予習することで、ポイントを押さえることができとても助かりました。

SANWAアカデミーでは、自分の部署や担当に関わらず、受けたい講義を選ぶことができます。自分の部署以外の内容を学べることは他にないので、見聞を広げるのにとても役立っています。

例えば、設計時に気を付けてほしいポイントをアカデミーで教えてもらうこともあります。その講義を受けておいたら、別の部署にいたとしても、設計の部署の方がおっしゃっていたことを参考に「ここに気を付けよう」と意識することができますよね。講義での学びを実践に生かすことができて、生産性の向上にもつながっていると思います。

SANWAアカデミーの講義を受けていて感じるのは、「もっと勉強しないと」という気持ちですね。講義を受ける度に自分の勉強不足を痛感するところですが、同時に「この講義を受けていなかったら知れなかったことだ」とポジティブな意味で捉えるようにしています。

特別な存在に出会えた「ひとづくり寮」

弊社では、入社1年目の社員は全員「ひとづくり寮」に入寮します。私はもともと、大学生の時に学生寮に住んでいたこともあり、そこまで抵抗はありませんでした。同期の中には一人暮らしをしたいというひともいましたが、結果的には「寮に入ってよかった」という感想を持っているひとがほとんどです。

特に入寮したての頃は、毎日みんなでワイワイと話したりご飯を食べたりして、学生生活の延長のように楽しかったですね。入社して半年ほど経つと、それぞれ現場に配属されるようになり、各々の生活スタイルが確立してきます。一緒に住むととても仲良くなれる一方で、時には喧嘩をすることも。しかしそうやって築いた人間関係はかけがえのないものです。

退寮し、年次が上がっていくと会う機会が減っていってしまいますが、「会おうよ」と気軽に誘えて、仕事やプライベートの相談もできる。一緒に暮らしたメンバーは、なんでも言い合える特別な存在です。

ほとんどのひとが1年目で寮を出ますが、私は2年間入居しました。現場が寮から近かったことと、家賃が安かったことが大きな理由です。家賃は、1年目が月額1万円(喫煙しない場合は8000円)、2年目以降は月額2万円(喫煙しない場合は1万8000円) です。

ひとを大事にするのは社員と会社の成長を思うから

入社前も、入社後も変わらず魅力だと感じるのは、風通しのいい社風です。

例えば弊社では、部署を横断した4、5人のチームで、会社への改善点を話し合って提案するという取り組みを行っています。そういった機会には、若手社員もベテラン社員も関係なく発信できるんですね。誰が社内の業務改善について提案しても、見て見ぬふりされることはありません。

そういう風通しの良さは、ひとを大事にする会社だからこそだと感じています。

若手が何か失敗してしまうことがあっても、そのひとを責めたり怒ったりはしません。反省すべきところは反省しますが、「次はこうしようね」と改善点を建設的に話し合う文化があります。そのひとの成長を考えて、次につなげようとするからこそ、言葉を選んで指導するんですよね。成長を軸にした考え方、マネジメントができる環境は若手社員にとってはとてもありがたいです。

 

工事グループ 今堀駿吾さん(2020年入社)

会社を選んだ理由は「人間関係」

私が就職先として弊社を選んだ大きな理由が、人間関係を大切にする社風でした。社員同士の関係性がとても良く、互いに支え合い、高め合える雰囲気です。

この風土は会社のさまざまな取り組みを通じて先輩達が作り上げてこられたものです。

例えば、新入社員が入寮する「ひとづくり寮」です。私は入社後1年と少しの間入居していました。

入社1年目は新しいことばかりですよね。誰しも不安を抱えるものだと思います。しかしひとづくり寮に住むことで、毎日顔を合わせる同期達と、お互いに相談でき、不安も共有できる。「一人じゃない」と思えることでポジティブな気持ちを維持できていたと思います。1年間一緒に暮らしたことで、プライベートも仕事も関係なく、なんでも話せる人間関係を築くことができました。

可能性を広げてくれる先輩達の教え

人間関係の良さは、縦のつながりにも感じます。先輩がいつも見守ってくれているし、教えてくれる風土があるんですよね。

例えば、新入社員には内定期間から先輩が一人メンターとしてついてくれる制度があります。私の場合、4歳年上の先輩でした。工事の部署の経験が長い方で、幅広い知見でご指導いただいて、とても勉強になりました。

他にも、SANWAアカデミーの講義は、日々の業務の延長線上にあるような、具体的な内容が豊富です。時には先輩達の失敗例を共有していただくことも。自分が実際に現場で行っている作業に関して、失敗を繰り返さないために何に注意すべきかを知ることができ、明日の業務に役立てることができます。

SANWAアカデミーでは、自分の担当業務からは学べない他の部署の内容についても学べます。なかなかそんな機会は他にないので、みんな前向きに勉強していますね。

他部署の業務も含めて知識を増やしていくことは、自分自身の成長につながると感じています。知識が広がると、意識できる幅が広がりますよね。意識の幅が広がると、自分自身の可能性が広がります。不得意だと思っていた領域にも、手が伸ばせるかもしれない。この教育制度が業務効率や品質の向上につながっていることはもちろんですが、私個人の可能性を広げてくれる機会でもあると感じます。

実は少し前に、個人的に資格の勉強に取り組んでいたのですが、会社が労働環境改善に取り組んでいるおかげで、終業後と週末に勉強時間を十分に確保できていたのもありがたかったです。

就職する前は、建設業界は夜遅くまで残業して朝は早く出社するというハードなイメージがありました。残業がないわけではないですが、同業他社に勤める友人に話を聞くと、弊社のように自由な時間を確保しているひとは多くありません。

日々の現場には張り詰めた緊張感があります。だからこそ、週末はしっかり休めるということが分かっているだけで、気持ちも楽になりますよね。私のように勉強の時間も取れるし、休みの予定も立てやすい。「週末まであと何日頑張ろう」と活力の源になっていると思います。

「一人じゃない」から、自分の成長に自信が持てる

私は今年、入社5年目になりました。最近は「これ任せるわー」と仕事を任せてもらえるようになり、ますます仕事にやりがいを感じています。その分責任も増えて、プレッシャーではありますが、こうして仕事を任せていただける時にも、安心して相談できる環境が弊社にはあると感じます。

普段から、先輩方と話しやすい環境がありますし、お互いに言うべきことを言う関係性が出来上がっています。人間関係を大事にしている会社だからこそ、挑戦する時にも「一人じゃない」感覚があります。

社員は毎日日報でその日の仕事について報告し、それを全社員が閲覧できるシステムがあります。日報のシステムは珍しくないと思いますが、弊社ではかなり活発にコメントが集まります。自分の仕事を見ていただいている安心感がありますよね。時には、普段話す機会のない上層部の方からコメントをいただいて驚くこともあります。

見守られているから、自分や会社を信じて思い切って挑戦できる。失敗することもありますが、それすらも、今後の糧になるいい経験だったと思えます。その仕事一つひとつを乗り越えられたときの達成感は、何物にも代えがたいですね。

もし弊社で働くことに興味を持つことがあれば、社員が働いている現場を見に行って、生の声を聞いていただきたいです。現場には、年代問わず多くの社員が働いています。私も社員の方に直接話を聞いたことで伝わってくるものがありました。ひとから聞いた話よりも自分で見て聞いたことを信じて、判断してほしいです。そして、ちょっとでも「この会社いいな」と心が傾いたら、ぜひ飛び込んできてください。

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