日本橋本社オフィス
「明日の『働く』を、デザインする。」をミッションステートメントに掲げ、人びとの「働く」を支援してきた、株式会社イトーキ(本社:東京都中央区、社長:湊宏司)。今回同社は経済産業省と日本健康会議が共同で選定する『健康経営優良法人2023(大規模法人部門(ホワイト500)』に認定された。なお、オフィス家具事業を展開する企業としては、業界初の7年連続の認定となる。
同社は、従業員が最大のパフォーマンスを発揮することが企業の発展につながると考え、従業員の心身の健康を重要な経営課題と捉え、戦略的な健康経営をさらに推進するため、2017年2月に「健康経営宣言」を選定した。同時期に健康経営を推進する組織として、組織横断で進めるために「健康経営推進委員会」を設置した。
企業コンセプトである「人も活き活き、地球も生き生き」の実現を目指し、経営、健康保険組合、労働組合、従業員とその家族が一体となった健康づくりを推進していく。
健康経営への同社の取り組みは2012年より開始されており、これまでオフィス環境を中心に、さまざまな活動を推進してきた。取り組みのきっかけは、この年開設したイノベーションセンター「SYNQA」、あらゆるステークホルダー、そして同社の社員が働く場を通じ、自由なイノベーションを起こしていく拠点である。この拠点にある自分たちの働くスペースを使って、環境で健康行動を促進できないかとトライを重ねた。
その結果をまとめ、「Workcise(ワークサイズ)」という「働きながらカラダとココロの健康づくり」を促進するコンセプトを発信し、クライアント向けのソリューション開発にも着手した。さまざまな空間プランニングや、ただ持ち歩くだけで「立つ」「歩く」「座る」といったオフィス活動を自動計測し、働き方を数値化するオフィス活動計測アプリ「ワークサイズApp.」などで、ワークサイズを浸透させ健康経営を実現していくプロセスをトータルでサポートしている。
ウェルビーイングにつながる環境づくりを促進
現在も、“働き方”と“健康”の繋がりを意識し、環境の力を使って健康的な行動が可能になるオフィスづくりを継続している。
同社の日本橋本社オフィスには、「サーカディアンリズム」を整えるための照明が導入されているほか、ごみを捨てに行く、会議室までの移動など、自然と歩数が増えるように行動動線が設計されている。
健康的な活動を促進する環境づくりを整備するなかで、同社の健康診断において、二次検査の有所見率は5年間で約5ポイント改善したという。また、禁煙の活動も推進しており、禁煙率も確実に向上している。同社の日本橋オフィスにおいては喫煙所を設けておらず、工場などの他拠点へも禁煙に対してポジティブになるような発信をしている。そのため2017年からの取り組みの効果として、大幅に喫煙率は下がった。
活き活きとした働き方を、社会に還元していく
同社は今後、データドリブンの健康経営を推進していく。従業員に健康を「自分ゴト」として捉えてもらうために、アンケートで個人や組織の健康や生産性に関わる課題を可視化し、その可視化された課題に対しての改善策を打ち出す。
データによって可視化することで、「この工場ではこういった数字がでている」というような具体的なデータに基づいた改善が可能となるため、全社的な施策を展開するよりも、改善施策に参加する社員のモチベーションが向上することを実感するという。その継続もあり、アンケート回答率は年々向上し、現在は90%を超えるまでとなった。社員が健康に対して自分ごとと捉え、また会社にも協力的であることが垣間見える。
自分の「はたらく」をデザインする
同社はビジョンステートメントとして、「人も活き活き、地球も生き生き」、さらにミッションステートメントとして、「明日の『働く』をデザインする」を掲げる。社内メンバーにも自分の働くを自分でデザインしていく、自分はこう働きたい、こういう想いをもって動いていきたいといった“自律性と自主性”を併せ持つ人が多いという。
それに沿った健康経営を推進していくために、まず従業員が元気に働き、活躍することで、お客様と社会に還元していくことを一貫として継続している。従業員がまず体験し、その体験を通して社会に還元する。それは従業員が幸福であることが基盤となり、さらに社会のハピネスを創造していくものとなる。
また、従業員が活き活きと働く環境を目指す同社は、イトーキSDGs宣言を発信し重要課題として「社会と人々を幸せにする」「会社と社員が幸せになる」ことを掲げている。
その取り組みの一環として、プライド月間※である6月末まで全国の同社各ショールーム・工場において「ITOKI×LGBTQアライ展示」を実施している。
誰もが自分らしく働ける職場環境を目指し、性的思考や性自認等における多様なあり方を尊重、支援することを目的としている。
日本橋オフィスにおいての開催期間中は、企業からの問い合わせや同オフィスへの来社があった。また、同社のLGBTQにおけるアライコミュニティ参加者が60名を超え、直接的要因とまではいえないが、社内認知が高まり、多様性に対する社員の理解がより促進した。
同社はこれからも、同社と同社健康保険組合を中心に進めてきた、従業員の健康に関する様々な取り組みや活動を体系化し、健康経営の活動を加速していく。