企業の存在意義(パーパス)や社会的価値への貢献を重視した経営(パーパス経営)をおこなっている企業を紹介する特別企画

株式会社ラキール 株式会社ラキール「明日の日常を創り出す」を胸に刻み、社員一丸で挑むラキール ~LaKeel DXエコノミーの創造~

左から砂田さん、雄谷さん、堀口さん

企業の生産性を高め、グローバル市場で勝ち抜くための鍵となるのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)である。株式会社ラキールは、このデジタル化を実現するためのプロダクトサービスである「LaKeel DX」などを主軸に、多様なサービスを提供している。さらに、2022年春「明日の日常を創り出す」というパーパス(=企業の存在意義)を強く打ち出し、社員一丸となってその実現に向けて歩みを進めている。

同社のパーパスにおける明日の日常とは。未来を創るためのアクションとは。取締役上席執行役員の雄谷さんと、LaKeel DX Engine Groupの砂田さん、広報・マーケティングGroupの堀口さんにその本質をお話しいただいた。

IT業界にパラダイムシフトを起こす

雄谷さん

─2022年春に、新たにパーパスを設定されました。その経緯や狙いを教えてください。

雄谷さん:パーパス策定の大きなきっかけは、ここ数年コロナ禍で、当社でも一時期リモートワークが主流になったことです。役員と社員、社員同士が直接顔を合わせる機会が少なくなり、経営陣のメッセージを現場に伝えるのが難しくなりました。もちろん、動画配信などを通じて想いを伝える努力は続けてきましたが、限界がありました。今後も同じ方向を向いて進んでいくためには、全社で共有すべきマインドをはっきりと示すべきではないかと考えました。

─そうして定められた御社のパーパス「明日の日常を創り出す」ですが、この中に込められた想いをお聞かせください。

雄谷さん:私たちが目指しているのは、企業ビジョンにも掲げているように、「これまでのITのあり方にパラダイムシフトを起こす」ことです。具体的には、ソフトウェアの「部品」化を進め、産業として成立させること。これを私たちは「LaKeel DXエコノミーの創造」と位置づけています。

現状、IT人材の不足もあって、企業にとってソフトウェア開発はコスト面で大きな負担になっています。しかし、ソフトウェア部品産業が成立して、他社から購入した部品を組み合わせてアプリケーションを作成したり、自社で開発した部品を他社に販売したりすることができるようになれば、開発コストを大きく削減できるだけでなく、利益に変えていくこともできるはずです。

そうした、新しい「日常」を明日に向けて創り出すことが、私たちの企業としての存在意義です。パーパス策定にあたって新たに考えたというよりは、以前から社内で話していた考え方を改めて整理したというべきかもしれません。

─パーパスを社内に浸透させていくために始められた試みなどはありますか。

雄谷さん:新型コロナウイルスの感染拡大がある程度落ち着いてからは、リモートワーク主流の期間に入社した若手社員を主な対象に、経営陣との少人数の懇親会を開いてきました。「研修」といったかしこまった形ではなく、もっとリラックスした雰囲気の中で、直接想いを伝えられれば、と思いました。これまでに60人ほどの社員と話をしてきましたが、今後も継続していく予定です。

─社員の皆さんは、パーパス策定をどう受け止めましたか。

砂田さん:「明日の日常」をつくり出すということは、多くの人の日常に、当たり前のようにラキールが存在している状況を生み出すということですから、非常に大きなやりがいのある目標です。それだけに、すごく「燃える」と感じますね。

もちろんパーパスの策定以前から、会社として目指す方向性については、経営陣の皆さんから折に触れて聞いてはいました。ただ、こうして改めて形にしてもらったことで、どうしたらこのパーパスを実現できるのか、常に長期的な目線を持って仕事をできるようになったと感じています。

堀口さん:私も同じですね。所属する部署やチームとしての目標はもちろん常に意識しているのですが、その先に会社全体としての目標があるということを考えるようになりました。

雄谷さん:昨年、理念の浸透についての社内アンケートも実施しましたが、理念への共感度は他社と比しても高いという結果が出ていました。

当社はクラウドを活用したデジタルビジネスプラットフォームを提供している企業です。例えば、BtoCの世界では「スマートフォン」が日常にあることが当たり前になりましたが、私たちはBtoBの領域において、デジタル化による変革(DX)を推進する企業にとって不可欠なプロダクトブランドを目指しています。そういった会社の未来に向けてのイメージは、かなり共有できているのではないかと考えています。

また当社では、社員に友人・知人を紹介してもらうリファラル採用を導入しているのですが、パーパスを策定したことで、社員が当社を紹介したい相手に「ラキールとはどういう会社か」を説明しやすくなったのではないかと思っています。

もともと、当社で働く社員には「自分の会社に誇りを持ってほしい」と考えてきましたが、そのための「軸」になるのがパーパスなのではないでしょうか。

立場や年齢を超えて意見を言い合えるのが魅力

砂田さん

─砂田さんと堀口さんは、それぞれどんなお仕事を担当されているのでしょうか。また、お仕事をする上でのやりがいや面白さはどのようなことでしょうか。

砂田さん:ソフトウェア部品の開発運用の基盤となるプラットフォームの構築に関わっています。先ほど話に出た「LaKeel DXエコノミー」の根幹ともいえる部分なので、会社の「あるべき姿」に直結する仕事をできているという感覚は、大きなやりがいになっていますね。

また、日常的にやりがいを感じられるのは、僕たちが開発した部品やアプリケーションを通じて、お客様である開発者の生産性が上がったと聞いたときです。「アプリケーション開発に1週間かかっていたのが、3日でできるようになりました」などのフィードバックをいただけるたび、「自分が頑張ったことが誰かのためになった」と実感しています。

堀口さん:私は広報とマーケティングを担当しています。ラキールという会社自体と、ラキールが開発した製品の認知度を上げていくことが役割ですね。そのために、いろんな場で露出を広げながら、「自分たちの想いをどう伝えれば、お客様に響くのか」を常に考えています。サービスサイトへのアクセス数が伸びるなど「自分の業務を通じてラキールを知ってもらえた」と感じるときが一番嬉しいです。

─日常的に心がけていることはありますか。

堀口さん:やはり社内外の多くの人と「コミュニケーション」を取ることですね。外側に発信するためには、社内のこともよく知っていなくてはならないので。

砂田さん:僕は「ポジティブシンキング」ですね。開発をやっていると、毎日のように「できないこと」にぶつかるのですが、できない理由を探すのではなく、「どうしたらできるか」を考えるようにしています。気づくと、休日で家にいるときも「どうしたらいいものができるかな」と考えていて、それがまた楽しいんです(笑)。

─働きやすさの面ではどうでしょう。社内の雰囲気や制度面について教えてください。

砂田さん:立場や年齢に関係なく意見を言い合える風通しのいい会社だと感じています。取締役に対しても、役職ではなく「さん付け」で呼んでいますし、対等にディスカッションできる空気があります。

あと、エンジニアに対しては資格取得の支援制度があるのも、仕事へのモチベーションにつながりますね。

堀口さん:「風通しがいい」というのは私もいつも感じています。入社前、採用説明会で先輩社員に「上下の壁がない会社だよ」と言われたのですが、入社後にそのとおりだと実感しました。

加えて嬉しいのは、子育て中の社員への支援制度が充実していることです。育児休暇や時短勤務も法定よりも長く利用することができて、それが入社を決めた理由の一つです。子育てと仕事を両立されている女性の先輩もたくさんいるので、その姿を見ながら、いつか自分が出産や育児をする時期は「自分も頑張ろう」と励まされています。

ラキールの「ファン」を増やしていきたい

堀口さん

─採用については、雄谷さんはどのようなお考えをお持ちですか。

雄谷さん:とにかく個人を尊重する会社でありたいと考えているので、採用の際にも性別や年齢を意識することはほとんどないですね。外国籍の社員も増えているのですが、それもあえて外国人をと考えたのではなく、優秀で、かつ私たちのパーパスを共有できる人材を採用したい、と考えたら自然とそうなったという感じです。

今は会社としても順調に成長できている時期ですし、優秀な人材はなるべくたくさん来ていただきたいです。即戦力になってくれる中途採用の方たちも重要ですが、パーパスの共有という点では、新卒の方たちにも強く期待しています。

─健康経営にも力を入れられているとうかがいました。

雄谷さん:社員は1泊2日の人間ドックの他、婦人科系の検診なども無料で受けられる制度を設けています。また、メンタル面のケアに生かすため、エンゲージメントサーベイも月1回ペースで実施しています。会社でマッサージを月1回、無料で受けられる制度も好評ですね。

さらに最近では、1時間以上残業する社員に、ビュッフェ形式の夕食提供もスタートしています。少し前から試験導入していたのですが、好評を受けて今年8月から正式導入することにしました。残業のときの食事というと、どうしてもコンビニなどになりがちですが、いい仕事をするためには、栄養があっておいしいものを食べてほしいですから。

─ありがとうございます。最後に社員のお2人から、今後の目標を。

砂田さん:やはり、会社としての目標でもある「LaKeel DXエコノミー」を実現させることですね。ユーザー同士がソフトウェアの部品を流通できる場を確立して、IT業界にパラダイムシフトを起こしたいです。

堀口さん:ラキールとLaKeelシリーズ製品のファンを増やしていくことです。さらに、ITやDXといえばラキールを思い出していただけるようにしていくことも目標です。

そのためには、社外への発信を強化していくことはもちろんですが、そもそも魅力ある会社にしていくことも大切だと思います。社員の皆さんが誇りを持って働くことができるモチベーションを広報活動やブランディングの面から生み出していきたいです。

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