ミサワホーム株式会社|経営層、人事総務部、健康保険組合が連携して健康経営を推進〜社員がいきいきと働くことができる職場を創造中!〜

ミサワホームってこんな会社!

ミサワホームは日本初の建設大臣認定を取得した「木質パネル接着工法」を開発し、1967年に設立。高気密・高断熱な居住環境実現の先駆けとなりました。この工法は南極・昭和基地の多くの建物にも採用されています。90年代には世界初となる「100%リサイクル住宅」「ゼロ・エネルギー住宅」を発表。近年では、JAXAと共同で宇宙空間における有人拠点建設を目指した研究もスタートしています。2015年に首都圏、2016年に中部エリアにおけるグループの販売体制と施工体制を統合、本社に直結。組織体制や人材育成、働き方など変革に取り組んでいます。2018年からは健康経営に着手し、5年連続で「ホワイト500」の認定を受けました。

 住まいづくりで培った「ミサワホームらしさ」やチャレンジ精神をベースに、これからの社会が求める、暮らしの快適さや安全性を先取りした自社の文化を創造しています。

2018年度から「ホワイト500」継続認定中!健康経営の歩みと風土づくり

ミサワホームは、「健康宣言」を制定した2018年度から5年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されています。ミサワホームを語る上で欠かせないものとなった健康経営の取り組みを人事総務部の2人にお聞きしました。

 

人事総務部 人事課 井澤 望さん

 

 

 

人事総務部 人事課 課長代理 横野 智也さん

 

 

組織体制の変革が転機 健康が経営のキーワードに

横野:従来の建設業界では、お客さまや現場に対して一生懸命に向き合うことが「やりがい」や「充実」に直結していました。一方で自分の健康に目を向ける視点が弱かったように思います。起点となったのは2017年から始まった全社的な働き方改革(BR活動)でした。従業員満足度向上への計画が立案される中、健康管理体制の強化が重要な経営方針のひとつとなりました。

井澤:それ以前は、年に1度の健康診断のときくらいの話題でした。それが、社長が健康経営の責任者になり、「健康宣言」を制定し、まずはトップから「取り組んでいきましょう」と発信しました。経営方針として「健康」がキーワードになり、全社的な取り組みが始まりました。

横野:会社の組織体制もグループ内での会社統合があり、ひとつになった会社として一体感の醸成も必要な時期でした。「健康」というキーワードのもと、イベントや施策を通じて社員一人ひとりが働き方や健康を自ら考えるようになりました。トップダウンではなく、社員が自発的に健康を意識し始めたことが、その後の成果につながったと思います。

井澤:各事業所で「健康づくり責任者/担当者」を決め、私たち人事総務部と連携して取り組んでいます。各事業所がもともと持っている特性に合わせて最適化を図ることで、実践効果の高いものとなっています。

社員一人ひとりに「健康」への意識が浸透

井澤:ミサワホームらしさも健康経営が社員に浸透した理由のひとつかもしれません。さまざまなイベントを企画するのですが、毎年開催している「ウォーキングイベント」には多くの社員が積極的に参加します。営業職が多いので、「競い合う」ことへのモチベーションが高い社風です。その期間は「天気の話題の次に歩数の話になる」と言われるほど、関心が高まります。

横野:健康関連のイベントや施策は、会社統合後の全社の一体感を醸成する意味でも重視しています。実施に携わる私たちも社員のニーズを集め、効果的なフィードバックに努めています。2022年に実施した全社員へのスマートウォッチの配布や、遺伝子検査キットの配布は大きな反響がありました。

井澤:健康経営の取り組みは社員本人だけでなく、社員の家族も取り組めるように努めていますが、なかなかそこまでの広がりを持つ企画は難しいと感じています。でも、遺伝子検査キットは社員本人への配布だったのですが、「この機会に家族の分もやってみたい」という要望をいただくこともありました。「健康」への意識が一人ひとりに根付いてきたと実感できました。こうした取り組みと浸透が、「ホワイト500」の連続認定につながっていると思います。

ミサワホームの健康経営取り組み

【社員の健康リテラシー向上・運動習慣の改善】

  • フットサルや野球、登山などのサークル活動を応援
  • 新宿シティハーフマラソンに協賛し社員が競技に参加
  • 本社に健康スムージーの販売コーナーを設置
  • 健康づくりの活動を「楽しく」「お得に」「無理せず」継続的に取り組めるよう、健康ポイント制度を導入
  • 産業医による健康講話を各拠点で定期的に実施
  • 社内ウォーキングイベントの規模を拡大して開催
  • 健康管理向けのスマートウォッチを全社員に配布
  • 遺伝子検査キットの配布と検査結果のフィードバック、管理栄養士による解説セミナー開催

【健康保険組合との連携健康管理体制の整備】

  • 最高健康責任者=CHOを任命し健康経営を推進
  • 健康相談や不調者の対応を行う健康管理室を設置
  • 定期健康診断の二次検診対象者の再受診を徹底
  • 喫煙者を対象に禁煙・減煙への取り組みをサポート
  • 健康KPIを設定し、ミサワホームグループ各社との労務ミーティングを行うなどグループ全体の健康経営を推進
  • 新型コロナウイルス感染症へのフォロー体制を確立し、罹患した社員の療養および復帰をサポート
  • 人間ドックの受診費用補助対象者を大幅に拡大
  • 衛生管理者資格取得者への合格祝い金を倍増

いつでも・どこでも・いつまでも、いきいき働ける環境整備
MISAWA HISTORY「BR 働き方改革推進室」の足跡をたどる

 

「変わる」ことに前向きで度量のある社風です

人事総務部 人事課 課長 小島 裕子さん

 

ミサワホームの健康経営は「BR働き方改革」が原点。何を変えるかを社員自身が考える中で見つけたのは、「人のよさ」に根ざした社風と働きやすさでした。それがどう健康経営に活かされたのかをBR担当者に聞きました。

仕事と健康を一緒に考える 社員が自ら会社を変えていく

2017年7月、ミサワホームは社長直轄の組織「BR 働き方改革推進室」を設置しました。従業員満足度(ES)や生産性の向上、組織再編の目的達成度分析を3本の柱とし、「働き方改革」を社員自らが推進していく取り組みです。小島裕子さんも全社から集まった50人のメンバーの一人です。

「部門の垣根や世代を超えた人々が集まり、『会社が動き出したぞ』というポジティブな熱気に包まれていました。当時、『働き方改革』という言葉は、政府の呼びかけもあり、報道でも毎日耳にしていました。それが自分の仕事や会社を変える言葉となったこと、さらに、ESの向上を受け身ではなく自ら実現することへのやりがいを強く感じました」

 小島さんは、BRの取り組み項目のうち、ES向上を担当。コミュニケーションの強化や健康管理などに取り組みました。

「家庭と仕事の両立。女性活躍推進。障がい者雇用推進。やはり、どれもそれまでは言葉としては自分事化されていなかったと改めて実感しました。健康経営もBRの中からスタートしましたが、健康と会社の仕事をともに考える視点は新鮮でした。皆さんの健康診断二次検査の受診率の数字を見たときに、そのあまりの低さに驚きました。一緒に働く人たちの健康意識、環境、そうしたものへの危機感と、これを何とかしたいという課題感が生まれ、BRに参加する責任感を強く持ったのを今でも忘れません」

BRの中で社員に「ミサワホームらしさとは何か?」とアンケートを実施。上位5つの言葉から見えてきたのは「人に恵まれている会社」という社員共通の価値でした

再認識した「人の力」垣根をなくし、その力を最大に!

BRに取り組む中で感じたのは「人に焦点を当てた活動」という点でした。

「誰かの健康を考える、知ってもらうには、会社や部門、役職や役割といった垣根はなくさなければいけないと感じました。BRも健康経営も社長が推進役となり影響力もある。でもそれを社員一人ひとりが理解し推進力とならなければ実現しません。普段かかわりが少なく、利害関係もない場所に飛び込み、思いを伝える力とは『人間力』だと気づきました」

 社内のさまざまな人とのコミュニケーションを重ねる中で、小島さんは全社に存在する「人間力」にも触れる機会を得たと言います。業界を先駆ける商品開発力や、グッドデザイン賞を34年連続で受賞するデザイン力など、住宅メーカーとしての力の背景には、こうした人材の厚みが底支えとなっていることを実感したそうです。

「それまでも会社への誇りを持っていましたが、会社の仲間たちへの尊敬も再認識しました。ミサワホームの魅力を聞かれたら、迷わず『人!』と言えます」

 社内の「人間力」を一層高めるには、部門や世代を超えたコミュニケーション強化が必要でした。BRの活動が実証した垣根のない人間関係を全社的に広めるために、サークル活動の推奨もここからスタートします。10人以上が集まれば、会社から補助が出るということで、たくさんのサークルが活動しています。ちなみに、小島さんはカラオケサークルに参加しています。

「BRで50人が集まったときと同様に、サークルでは年齢も部門も異なる人との交流が生まれます。会社を俯瞰するというか、縦横斜めから見つめ直すような感じです。同じ会社の仲間だからスムーズに共有できる話題もあれば、自分の悩みにそんな解決方法があったのかと異なる視点からアドバイスをいただけることもあります。私自身も先輩のアドバイスを受け止め、後輩に伝えていく存在になりたいと思うようになりました」

BR(Business Revolution)とは?

BRはBusiness Revolution、ビジネス革命を意味する言葉。「BR 働き方改革推進室」は、2017年7月、ESの向上、生産性の向上、エリア再編改善・企画を目的に、社長直轄の組織として始動した3年間限定のプロジェクトです。全部署、全世代から50名が集まって活動。いつでも・どこでも・いつまでも、いきいきと働ける環境を整備し、働き方における建設業界のリーディングカンパニーになることを目指しました。現在のミサワホームの体制・環境にその影響は色濃く残っています。

団結力と健康意識の増進「楽しく健康に!」健康推進イベント紹介

いつまでも社員がいきいきと働くことのできる、活力あふれる職場の環境整備を積極的に行っています。ミサワホームの文化とも言える運動イベントを中心に、従業員の声と合わせて健康推進イベントを紹介します!

ウォーキングキャンペーン!恒例イベントとして定着。3,000人以上が参加!

健康経営推進とともに始まりました。回数を重ねるごとに参加率が上昇しており、2020年からはグループ内の対象企業を増やし、3,000人以上が参加する名物イベントとなっています。

 毎年11月に開催される恒例行事として定着したことで、キャンペーン中は「歩数」が社内の話題となり、普段接点のない者同士がコミュニケーションをとることが増えました。サークル活動への参加やコミュニティづくりなど、交流機会を増やす起点にもなっています。

 また、キャンペーン中だけでなく、日頃から歩くことや運動することへの意識が高まっています。健康経営の継続的な取り組みにより「運動イベントはミサワの文化」という社風が根付いてきています。そうした会社文化の継承が健康意識と結びつき、ミサワホームの健康経営を実のあるものとしています。

 

新築請負事業本部  首都圏営業本部 東京支社  東京支店 市場開発部  市場開発二課
工藤 萌里さん

 

 

第1回から職場の皆さんとチームをつくって参加しています。仕事で外を回るときも自分の歩数がカウントされるかと思うと、ポジティブな気持ちで歩けます。歩数を増やす目的も兼ねて、休日に支店でゴルフコンペをしたこともありました。単純なスコアだけではなく、歩数も競いながらのコンペとなったので、ゴルフの下手な私でも楽しくできました。

新宿シティハーフマラソン!参加を機会にランナーとして目覚める社員が多数!

 社員の健康意識向上と運動する機会のきっかけづくりをかね、「新宿シティハーフマラソン・区民健康マラソン」に2020年から協賛しています。

 参加を希望する社員には、事前に複数回の練習会を開催。互いの交流を深め社内コミュニケーションの強化につなげるとともに、自主練を重ねることで健康や運動への意識を高める機会となっています。

会社が主催する練習のため、参加者本人も前向きに取り組むことができ、周囲の社員からも応援が得られるなど、主体的かつポジティブな運動への意欲を高めることができると好評です。

 

建設・CS本部  カスタマーサポート推進部 オーナーサポート企画課 課長代理

高橋 良裕さん

 

 

高校卒業後の20年間、運動とは無縁でした。40歳を前にして危機感を感じた矢先に2020年大会の参加募集を見て「これだ!」と選択種目の中で最長の21kmに参加。ハンパな気持ちでは達成できない目標を持つことで、自分でも意外なほど自主練を重ね、完走でき、大きな自信となりました。

各種サークル活動!部署や役職の垣根を越えたコミュニケーション

BRのES向上で取り組んだコミュニケーション強化の中から生まれた施策です。10人以上を集めれば誰でも気軽なテーマ設定で、会社公認のサークルをつくることができ、参加人数に応じて活動費の補助もあります。現在、社員数約2,500人に対し、約800人が何らかのサークルに参加しています。

 「ダンディーキャンパーズ倶楽部」の渡辺さんは、サークル活動で感じた「健康」は、「皆とよく笑うこと」だと言います。仲間ができ、一緒に思い出をつくる。オンもオフも人間力を高めるのがミサワホームの健康経営です。

 

新築請負事業本部 首都圏営業本部  分譲開発事業部  分譲営業部 販売一課 

渡辺 光太さん

 

 

キャンプは未経験でしたが、同僚が「面白いから」と誘ってくれました。活動内容は「おいしい料理とお酒を楽しむこと」で「1人1品をつくる」だけがルール。自分が料理好きなことを発見できましたし、妻にも好評です。2017年から続けていて仲間との思い出も多く、私の人生の財産です。

手厚い研修制度〜30歳までに「仕事のプロ」に〜

ミサワホームには「人を大切にする」という思いがあります。「人材」を「人財」と表記するのも、そのためです。入社後8年間=30歳までに若手を「仕事のプロ」にしようというミッションを掲げ、若手層に手厚い研修を行っています。

TOPIC

ミサワホームでは入社までのチャレンジを推奨し、「宅地建物取引士」「二級建築士」資格取得のための通学補助をしています。

 また、2023年からは入社後スムーズに社会人生活へ導入できるようにミサワホームの展示場や施設見学、グループディスカッションをする機会を設けています。

30歳プロ化 8年間で4回、きめ細かな階層別研修

30歳プロ=「高い巻き込み力と問題解決力を駆使して、いかなる部門においても成果を発揮する人財」

ミサワホームでは全社員が「MISAWA DNA」を共有し合うため、新人から役員まで体系的な研修・教育体制が用意されています。特に入社時から8年間は2、3、5、7年目の節目で、全社員共通で研修を行っています。30歳で「プロ」としての自覚と自信を持ち、新たな新入社員が目指すべき「MISAWA DNA」の体現者となることを目標としています。

 そうした前へ進む推進力の獲得と同時に、横を見て自分を見つめ直す機会にもなっています。各部門や事業所で働く同期と再会し、お互いの頑張り、苦労や悩みを共有し合うことができるからです。「指導」や「学習」だけでなく、同期を鏡にして気づくことで、自分ならどうするかを考え、実践できます。この研修は配属部門に特化した専門的スキルではなく、どの職種にも共通した問題解決力を基盤としたポータブルスキルを段階ごとに習得することを主目的としています。

研修を企画する人財開発課では、カリキュラムが押しつけにならないよう、キャッチボールを大切にしています。研修前後に意見交換をしながら内容もアップデートしていきます。また、上の世代や役員にも今の世代のリアルを共有していきます。

 新入社員には一人に対し、理解のあるOJT1名、メンター1名が付いてサポートしています。同期や講師との対話の場だけでなく、役員から直接、事業ビジョンを聞き、その後ざっくばらんにコミュニケーションをとれる機会もつくっています。MISAWAは人財の育成と開発を会社全体でサポートしています。

 

こんな会社で働きたい 働く人の幸せを追求する健康経営企業編 (企業研究ガイドブック) 』より転載。

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