日本ヒューレット・パッカードってこんな会社!
日本ヒューレット・パッカード(HPE Japan)は、2015年にHewlett PackardがPC・プリンティング事業(HPI)とエンタープライズ事業(HPE)の2社に分社したことにより設立されたHewlett Packard Enterpriseの日本法人で、社員数はグローバル全体で6万2000名にのぼる世界最大級のITソリューションカンパニーです。
企業向けにサーバー、ストレージ、ネットワーク、スーパーコンピューターなどハードウェアの開発・提供、またITコンサルティングや保守運用、ITインフラ構築などのサービスを提供しています。ITインフラストラクチャの分野では世界トップシェアを誇り、国内においても堅調にシェアの拡大を続けています。
この先も、最先端のテクノロジーで人々の暮らしをさらに豊かに、そしてビジネスのあらゆるシーンで働き方をもっと柔軟で快適にすることを目指し、挑戦を続けていきます。
トップメッセージ
「人の成長が組織の成長を支える」
HPEが考えるWellbeingのあり方
業界でもいち早くリモートワークを導入し、ワークライフバランスを支える制度を整備してきました。
自らが制度を活用し、柔軟な働き方をしながら理想のキャリア実現を目指す「HPEらしい働き方」を推奨しています。
ベースにあるのは「お互いを信頼し、尊重するカルチャー」
代表執行役員社長
望月 弘一さん
HPEでは、一人ひとりの持つ力こそが会社の成長の源泉であるという確信のもと、多様な人々が高い生産性を発揮し、仕事を通じて幸福感を得られることを重要視しています。また、企業のパーパスとして「ITの力で人々の暮らしと働き方をより豊かにすること」を掲げており、メンバーの Wellbeingが社会全体の豊かさにつながっていくと信じています。
一方、倍速のスピードで変化を続けるIT業界は、大きな成長の場であり、市場で高く評価される経験を積むことのできるフィールドです。だからこそ、優秀な人財にHPEで働く魅力を感じてもらい、長期的に活躍してもらうことが欠かせません。年齢、勤続年数、役職などに関わらずアイデアを出し合える「オープンな」職場環境をつくることも重要です。創業者が提唱した“Management by Walking Around” の言葉にあるように、私個人としても、率先してメンバーとの対話の機会を設けたり、会社の方針を透明性と具体性を持って伝えたりすることを心がけています。
就任時に「Japan MD Opinion Box」というコミュニケーションツールを開設しました。創業時から受け継がれている“Open Door Policy”(執務室のドアを常に開けておくことでチームメンバーが話しやすい環境をつくる)を具現化するもので、社員から私に直接メッセージが届く仕組みです。開設以来、不安、悩み、意見や問題提起などさまざまな声が届きます。届いたすべての投稿に目を通し対策を講じることで、メンバーが安心して生き生きと働ける環境を提供することにつなげています。
Wellbeingを支える制度をしっかり整備し、柔軟かつ積極的に活用できるカルチャーを推進することは、私の重要な責務のひとつだと考えています。
カルチャーアンバサダーが語る
「HPEの社員らしく、誠実に」
受け継がれていく信念とDNA
HPEには、ストラテジーや信念、行動指針を定義した“Culture Blueprint”があります。
世界中のHPEメンバーにとって「どのような考えで行動し、どういう方向に進んでいくべきか」の指標になるものです。
メンバーをひとつにまとめている「言葉と想い」はどんなものなのか。
カルチャーアンバサダーのリーダーを務める宮永さんにうかがいました。
●カルチャーアンバサダーとは
“Bringing Our Culture to Life”を掲げ、HPEのCulture(企業文化)を生き生きと活性化させ、変革をしていくHPEの成功に情熱を注ぎ、HPEの良さを社内外に伝え、皆に憧れられる会社にしていこうと活動する世界中のHPEメンバーの有志の集まり。
あるべき姿、進むべき道を示すHPEの4つの信念
“OUR BELIEFS”はHPEの「信念」を表しています。経験や可能性を最大限に引き出し、社会にどのように貢献していくかをHPEのCEOであるアントニオ・ネリがまとめました。
1つ目は「先を見据えて進んでいくこと」です。お客様を最優先に考えてより良い成果を出すために何をすればいいのかを常に考えて行動しよう、というメッセージです
2つ目は「大胆かつ果敢な行動」です。ビジョンを持って常に学び、何事にも果敢な挑戦をしていきたい。失敗しても、そこから学び、改善していこう、という思いが込められています。
3つ目は「〝やればできる〟という可能性を信じる」です。個人ではなく、チームで“やればできる”を信じる。お客様のために、チーム全員で向上心を持って成長し、行動することを意味しています。
最後は「人を大切にし、社会に貢献すること」です。会社として世の中のために行動するとともに、我々の技術を社会に還元していこうというメッセージです。
また「人を大切にする」という信念から、ダイバーシティを尊重し、インクルーシブな環境で多様な人々と協働していく思いも込められています。
HPEで受け継がれる「ゆるぎない遺伝子」
“UNSHAKABLE DNA”は、ビル・ヒューレットとデイブ・パッカードが創業した当時から、HPEに受け継がれている私たちの価値観と言えるものです。お客様を第一に考え、パートナーシップの精神を大切にする。常に一歩先の未来を見据えて行動し、常識の壁を越えてイノベーションを生み出していく。これらを妥協なき誠実さをもって実行をしていきます。
突き詰めると、信頼と尊敬を忘れず、誠実にビジネスをしよう、ということ。特に“uncompromising integrity(妥協なき誠実さ)”は、創業以来使われ続けているキーワードで、社員に根付き、受け継がれている考え方です。
こういったHPEのカルチャーを生き生きと活性化させることを目的に集まった有志を「カルチャーアンバサダー」と呼んでいます。主にカルチャーセッションの企画や、全社イベントを盛り上げる仕掛けを考えるなど活動をしています。
コロナ禍にはHPEカルチャーを軸にした「エレメントリレー」を実施しました。メンバー一人がOUR BELIEFSを体現している人を推薦し、称賛のメッセージを送る。それを受け取った人は別の人へ想いをつなげるメッセージリレーです。推薦された人にはHPEのロゴであるエレメントが贈られました。カルチャーを通じて生まれるつながりで所属や年次を超えた結束を強くする機会となりました。
世界中で約900人の社員がネットワークをつくり、HPEのカルチャーインフルエンサーになるべく活動をしています。メンバーは社歴も年齢もさまざまですが、この活動に賛同し、「HPEを盛り上げたい」という人が集まっています。
HPE Cultureをつなぐユニークな活動
カルチャーアンバサダーが語る
HPEには、楽しみながら組織の価値観やカルチャーを体感し、浸透させる取り組みがたくさんあります。カルチャーアンバサダーは、これらのイベントをさらに盛り上げる企画を仕掛けていきます。
▶Team Member Appreciation Day
日ごろからともに仕事をするメンバーに対する敬意を持ち、感謝の気持ちを伝え合うことは、HPEの大切な企業文化です。Team Member Appreciation Dayは、年に1度春先にグローバルで行われるイベントです。改めて仲間に感謝を伝える日として、世界中の社員が感謝のメッセージを送り合います。2021年には、1日で世界各国60,000人以上、約120,000通の交流がありました。
この日は、各国独自のオンサイトイベントも多数企画されます。カルチャーアンバサダーもこの日の企画に参加し、アイデアを出し合いながらイベントを考えます。日本のオフィスでは、メッセージボードに思い思いの書き込みをしたり、スイーツが配られたり、社長がポップコーンを振る舞ったりと、社員全員で盛大に楽しみます。
▶Recognition e-card
HPEには、いつでもメンバーに感謝を伝えられる“Recognition e-card”というオンラインカードの仕組みがあります。スマホのアプリやメールなど日常業務に馴染んだツールから利用できます。
Team Member Appreciation Dayでは、このカードを送り合い、オフィスに飾る企画を実施しました。またHPEには素敵な行動やメッセージにはRecognition e-cardと合わせて上司から付与されるRecognition Pointsの仕組みもあります。そのポイントはグッズや商品券に交換できるなど利用者へのインセンティブが工夫されていて、多くの社員が利用しています。
▶We Are HPE Day
We Are HPE Dayは会社の恒例行事です。HPEの創業月である11月に、会社の誕生を祝い、HPEの文化をみんなで称え合うイベントです。「自社の文化を称える」この行事は、HPEならではのユニークなものです。その日の活動は、「HPEで働く誇りをシェアすること」がコンセプトになっています。たとえば、世界中の拠点で働く人たちが「どんな思いで働いているか」を書いたオンラインの寄せ書きをつくり、写真をシェアする企画もありました。
この日は、地域や社会へ貢献するHPEカルチャーの象徴として、ボランティア活動も行います。2024年は100名以上が参加して、HPE周辺地域のゴミ拾いを実施しました。また、外資系IT企業初のフェアトレードワークプレイスに認定されたことを受け、フェアトレードセミナーも企画しました。
▶HPE Gives
HPEは社会貢献活動を大切にしていて、「良き市民」は、変わることのない「会社の目的」のひとつです。地域がより良い社会になるように、すべての社員に対し、年間60時間まで、就業時間内のボランティア活動が認められています。
社内で参加者を募り、未就労者を社会に復帰させることを目的にしたチャリティー駅伝や、山手線一周を歩くファンドレイジングイベントなどへ参加しています。また、各イベントにボランティアスタッフとして関わるメンバーも多くいます。イベントは社内のコミュニケーションにも良い影響があるため、こうしたアクテビティ―を楽しみにしている社員も少なくありません。
充実の健康サポートプログラム
HPEのウェルネス
「人間は男女を問わず、良い仕事、創造的な仕事をやりたいと願っていて、それにふさわしい環境に置かれれば、誰でもそうするものだ」という創業者の信念を受け継ぎ、社員が仕事でベストを尽くせるよう、時代に合わせて健康の側面から環境を整え、支えています。
人事統括本部
松崎さん
4つのウェルネスで社員の健康を支える
HPEではウェルネス(健康)をフィジカル(身体)、ファイナンシャル(金融)、メンタル(精神)、コミュニティー(人とのつながり)と4つの要素より構成し、これらを軸に健康プログラムを実施しています。ファイナンシャルが含まれていることを不思議に思われるかもしれませんが、金銭面での不安は心身へ良い影響を与えません。不安を払しょくし、心身ともに健康であり続けてもらいたい。そのためにウェルネスの要素のひとつとして捉えています。
健康経営を促進するさまざまな取り組み
ウェルネス促進のため、さまざまなセミナーやイベントを企画しています。朝一に行うヨガ・ストレッチといった健康に関するプログラムや確定拠出年金・NISAなど財産形成に関する説明会などもオンラインで定期的に開催しています。
社員がそれぞれウェルネスに向き合えるよう、HPE全体で年に4回、定められた金曜日に就業が免除になる“Wellness Fridays”を設けています。この日は、運動をしたり、金融機関へ相談に行ったり、瞑想をするなど、ウェルネスのために思い思いの時間を過ごしています。
社員が生き生きと過ごせるよう、これからもさまざまなニーズに合わせた健康プログラムを実施していきたいと考えています。
グローバルでの取り組みGlobal Wellness Challenge
世界中の社員がチームを組んで参加できる人気のウォーキングイベント、Global Welllness Challengeが毎年開催されます。読書や水泳など自身の行動を歩数換算できるアプリを使い、用意されたバーチャル世界地図上を歩数に応じて進み、スタートからゴールまでチーム同士で競い合います。
また、Mystery Coffeeはメンバー同士のつながりを促すGlobalプログラムのひとつで、参加者は他国の社員と自動的にマッチングされ、コーヒー片手にひと息つきながら他愛ない会話を楽しめます。
社員に聞いてみました
HPEの「ウェルネスなところ」を教えてください!
ウェルネス①▶Wellness Fridays/自分のための1日
サービスデリバリー
統括本部
大森さん
入社した当時、勤務日の半日を自分のウェルネス向上に充てていいという内容で「とても外資系らしい制度だな」と感じました。翌年から制度が少し変わり、丸一日を自分のために使える現在のかたちになっています。通常の有給休暇とは少し違い、Wellness Fridaysは「自分のためになることをするぞ!」という気持ちが芽生えて有意義に過ごせています。資格や気になっている技術関連の勉強に時間を使ったり、平日の日中にしかできない手続きを済ませたり。今年は運転免許の更新を行いました。整体や温泉へ出かけるなど身体のケアをする時間として使うことも多いです。心のリフレッシュとして映画を公開初日に劇場で観るなどのエンタメに使うこともあります。
人やそのときの状況によって「ウェルネス向上」の方法は変わります。自由に自分のための時間を過ごせるWellness Fridaysはとても有意義な取り組みだと思います。
ウェルネス②▶個性を活かした働き方ができる環境
パートナー・アライアンス
営業統括本部
石川さん
早くからフレックスワーク制度が整備、活用されており、個人の予定で勤務時間を調整することなどが当たり前にできます。個性を活かした働き方が実現できる環境が構築されていると感じます。
私の場合は、週1日を在宅勤務日にしたり、就業時間帯を前倒したりすることで日々の充実度を高める工夫をしています。習い事の料理教室やゴルフレッスンに通うなど、上手にリフレッシュしながらワークライフバランスを保って働けていると思います。
「人を大切にし、年次や立場に関係なく学び合い高め合う」という、HPEが長年培ってきた文化によって、社内全体に発言のしやすさがあり、誰かが何か行動したいと思ったとき、実現性を高めるため一緒に考えてサポートしようとする方が多いのだと思います。
人を大切にし、個性を尊重している文化。そのひとつとして柔軟な働き方ができる環境こそが、生き生き働ける理由でもあります。
HPEの人財育成
一人ひとりの成長が組織を育て、顧客へのサービスを通して社会をより良くする。創業者の思いを制度のかたちで具現化し、次の世代と文化を育てる環境をつくることすべてが人材育成の役割です。
「世界を知れ。そして未来に繋げ。」
Project Astronautについて
データサービス
事業統括本部
宮本さん
▶海外派遣プログラムを経て社内でキャリアを築く
Project AstronautはHPE Japan独自の海外派遣プログラムです。「自主企画・自主運営」で、希望者自らが行き先や現地での活動を企画立案、社内でプレゼンをします。全社に貢献できると認められたメンバーが選出されます。過去10年間で約50名が経験しています。
私は入社後、お客様への製品の紹介、提案活動などを担っていました。プリセールスのメンバーや社内トレーニング、資料のおかげで困ることはないものの「実物を知らない」という思いがコンプレックスでした。そこで、このプロジェクトに応募し、HPE製品について開発から生産までを自分の五感を使って学び、「経験」を増やしたいと考えました。立てた計画は、10日間で本社や開発拠点があるアメリカの4都市を巡るというものです。
短い期間でも最大限の成果を持ち帰るために、事前準備は念入りに行いました。訪問先担当者とはオンラインミーティングで情報を共有し、テーマを練り上げてから会いに行くようにしました。現地のオフィスには、日本で使用している社員証で入ることができます。同じHPEのメンバーとして受け入れてもらえることはとても嬉しく感じました。
帰国後はより専門性が活かせる職種へ異動を希望しました。実際に製品の製造工程を見てきた経験を活かし、日本の皆様に正確な情報をお伝えすることができていると思います。また、さまざまな場面でプロジェクトの学びを発表する機会を多くいただき、貴重な体験を社内で共有しています。
今後も積極的に挑戦し続けていきたいです。次の目標は毎年ラスベガスで開催されるHPE Discover(テクノロジーカンファレンス)に職務で参加することです。
自律したキャリアの選択と
成長を支える環境づくり
HPEでは、新卒社員から経験豊富な社員まで、すべての社員が学びやすい環境を整え、意欲を引き出し、効果を高める仕組みを構築しています。また、さまざまな人とのコミュニケーションを通じて、常にフォローできる体制を築いています。目指しているのは、知識や技術の習得だけでなく、人としての成長です。必要な人材を育成することはもちろんのこと、一人ひとりが充実感を持って働ける環境づくりを大切にしています。
人事統括本部
長谷川さん
▶新人研修
新人向けには、部署を横断した集合研修を行い、横のつながりを育みながらHPEの精神をともに学びます。ビジネス研修や英語力の底上げにも力を入れています。文系出身者も多いため、技術的な部分は丁寧に。その後、OJT(On the Job Training)を挟みながら部署に合わせた研修を企画し、長い部署は11月まで断続的に続きます。グループワークも充実しています。教え合うことや得意を持ち寄ることで知識以上の学びを得てほしいと考えています。
▶キャリア開発
HPEには、決まったキャリアパスはありません。上司と相談しながら進み方を考えていきます。上司との1対1の面談は以下の3つの視点で行います。「パフォーマンス」は毎年設定するゴールへの進捗について、「キャリア」は数年後の将来像、「ディベロップメント」はこれらの実現に足りないスキルや経験についてです。キャリアの考え方やスキルの棚卸しなどについて、オンラインワークショップなどを提供し、個々のキャリア開発を後押ししています。
▶スキルアップ
社員全員に多くのスキルアップの機会が用意されています。たとえば、英語やIT技術、プロフェッショナルスキルを学べるオンラインプログラムや「プロフェッション」というAIやプロジェクトマネジメントなどの専門的な知識を学ぶ学習会などがあります。この会は有志が集まる場で、参加するだけでなく、事務局を担当して運営の経験を積むこともできます。自ら手を挙げることで新たな扉を開き、挑戦する人を皆で支えていくのがHPEのスタイルです。