2024.03.21

株式会社ココルポート|障がい者の「働きたい」を支援 ~尊厳と権利を守り、自分らしく生きられる社会を創る~

社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)という言葉があります。社会的に全体を包み込み、誰も排除されず、全員が社会に参画する機会を持つことを意味します。その社会の実現のためには、障がいのある方の社会参画もますます必要になる流れとなってくるでしょう。そこには、民間企業の取り組みと対応が重要です。障がいのある方々の中には、働きたいという気持ちを持ちながら、どのように社会とつながればいいのか、迷われている方もいらっしゃるでしょう。

株式会社ココルポートは、「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」という企業理念を基に、障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービス事業を展開しています。障がいのある方々への個別支援を軸とした、就労移行支援や自立訓練を中心に提供し、一人ひとりの障がい者を支援しています。社名の「ココルポート(Cocorport )」には、CO(英語で一緒に)、COR(ラテン語で心)、PORT(英語で港)という意味があり、「心」の拠り所となる「港」で在りたいという想いが込められています。

今回は同社取締役の長尾さん、就労移行支援事業エリアマネージャーの玉腰さん、自立訓練事業マネージャーの谷中さんにお話を伺いました。

【取締役インタビュー】

長尾 吉祐 氏
取締役 総合支援事業本部 本部長
精神保健福祉士

(プロフィール)
1970年北海道生まれ。1993年株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)入社。人材系サービス部門で営業、リクナビ等の商品企画など様々な業務に従事。その後、株式会社ジョブダイレクト代表取締役社長、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員、株式会社リクルートメディカルキャリア代表取締役に就き事業再生、新規事業開発に従事。2018年7月株式会社ココルポートへ入社し、2019年7月より総合支援事業本部管掌取締役に就任。

一人ひとりに適した支援で、「働く」を実現する

私たちの事業の大きな柱として、就労移行支援と自立訓練の2つがあります。就労移行支援は、一般企業で働きたいと思っていらっしゃる障がいのある方に対して就労訓練などのサポートをするものです。スキルやコミュニケーション、生活の安定ができるように訓練していきます。自立訓練は、特別支援学校を卒業する方や、障がいが理由で就職ができず引きこもりの状態にあった方に対し、就職の手前のステップを学ぶ支援をしています。

我々ココルポートの事業は、国からの指定をいただいて行っています。これらの事業をする中で、最も大切にしていることは、ご利用者様の「個人としての尊厳と権利を保持し、守る」ということです。私たちは個人としてそれぞれが違った存在です。その一人ひとりの生き方を尊重し、その方に合った支援を提供していくこと、それが我々の「個別支援」です。

集団支援ではなく個別支援を大切にする理由

我々が提供している個別支援の対極には、集団支援があります。その支援の多くは、同じプログラムを一斉に受けるというものです。我々は、人権を守りながら、その人がその人らしく生きていくための支援を個別に提供しています。例えば、ご利用者様の理解のスピードや、その方のバックグラウンドを鑑みた上での会話をすることなどを考え、丁寧な支援を行うことを大事にしています。

個別支援を行っていくためには、現場にいるスタッフの力が非常に重要です。その力を伸ばすために、特別な訓練のようなものがあるわけではありません。OJTを通して、先輩が実践している現場での会話の仕方や、色々なケースへの対処を覚えるなど、少しずつ学んでいくことを大切にしています。現場を通して実務を理解していくことが、実力をつけるための一番の近道だと思います。

地域との関係性を深め、一人を支えていく

我々の事業所がある地域のクリニックや企業、学校に対して、「リレート活動」を行っています。例えば、その地域に我々の事業所を新しくつくった際、地域に関係が深いハローワークやクリニック、支援機関へご挨拶にお伺いするといった活動です。これは、地域とのより良い関係性を構築していくことを目的としたものです。地域におけるネットワークを構築することが、ご利用者様に対する我々の支援の基盤をより強固にすることにつながります。

ココルポートの全てのスタッフは、地域に根ざし、信頼される存在である必要があります。一人の障がい者を支援することは、我々だけでできることではなく、地域全体で支援して、初めてできることだからです。ご利用者様は地域のさまざまな支援機関にアクセスし、サポートを受けながら、就労や自立へ向かっていきます。我々だけではなく、地域の支援機関と連携をとりながら、一人の方を支援していくというのが重要なのです。

安心できる拠点をつくることが事業成長につながる

我々は、就労移行支援事業・自立訓練事業を全国に105拠点展開しています。就労移行支援事業所が74拠点、自立訓練事業所(リワーク専門事業所含む)が31拠点。そして就労定着支援事業所が61拠点、特定相談支援事業所は5拠点です(2024年4月現在)。拠点がまだ少ない地域もあるので、今後はその地域に拠点を増やしていく可能性もあります。

私たちのこだわりとして、一つのエリアに対し複数の拠点を展開するようにしています。地域で認知を上げるため、多くのご利用者様に他社の事業所だけではなく、当社の事業所とも比較し、選んでいただきたいという理由からです。また、事業所のスタッフの体調が悪くなった際も、拠点間で助け合うことができるというメリットもあります。

私はご利用者様やスタッフが、毎日通いたくなる、出社したくなるような、心理的安全性の高い事業所を皆でつくることが大事だと社員に伝えています。経営をする上で、売り上げを上げ、コストを下げて利益を出すというのは鉄則です。これを福祉の領域でも確実に進めることが、企業として重要になってきます。我々のご利用者様にとって、支援の内容はもちろん、居心地がよく安心できる場があるというのはとても重要なのです。それが自然と売り上げにつながっていきます。

一人ひとりの笑顔を守る。ココルポートが求める人材

我々は、誠実に仕事に向き合い、プロフェッショナルとしての意識がある人材を求めています。ココルポートイレブンという11個の行動指針があります。その中に、「どんなときも信じ続ける」という項目があります。我々の仕事には粘り強さがとても重要です。

ご利用者様が抱える社会での生きづらさや障壁は、我々には計り知れないものがあります。その方々を笑顔にしていくためにも、常に前を向いてあきらめずに歩き続けるパワーが必要です。何とかなる、明日はいいことがあると思える楽観的な考えを持っている方が、我々の仕事には向いている気がします。

一人ひとりの可能性があふれる社会を実現する

「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」という企業理念を掲げ、事業を展開しています。我々の理念に共感してくださり、福祉や障がい支援にたずさわる方が増えていけば、社会は少しずつ良い方向へ変わっていくのではないかと思います。

理念実現のためには、知ること、継続すること、そして諦めないことが重要です。当社のスタッフの皆さんは、この三つを大事にしてほしいと思います。そして、目の前のご利用者様一人ひとりに、全社員が誠実に向き合い、支援を提供していきたいと考えています。社会の様々なパートナーと対話を重ね、互いの強みをつなげ、新たなソリューションやサービスの開発、福祉領域におけるイノベーションの実現を目指していきます。

【社員インタビュー】

玉腰 尚平さん
2018年12月入社
就労移行支援1部 第4エリア エリアマネージャー

 

谷中 希夢さん
2022年12月入社
Cocorport College 大宮キャンパス
マネージャー

福祉の仕事に就いたきっかけ

玉腰 神奈川県の湘南、藤沢のエリアマネージャーとして、就労移行支援事業所の運営、管理を行っています。就労移行支援は、障がいのある方が一般企業へ就職するための職業的な訓練や、就職活動などをサポートする支援です。

谷中 私は、ココルポートカレッジの大宮キャンパスという自立訓練事業所を運営しています。ココルポートカレッジとは、障がいのある青年期の方々が、ご自身の生活の自立に向け、さまざまな知識や経験を積んでいく学びの場です。私はそのマネージャーを務めています。玉腰さんのように地域全体の事業所を運営、管理するのではなく、一つの事業所を担当しています。

―― ココルポートに入社したきっかけは、どのようなことだったのでしょうか。

玉腰 ココルポートへ入社する前は、高齢者介護の施設の運営をしていました。その中で、改めて違うことにチャレンジしてみたいと思ったのが転職のきっかけです。

就労移行支援を知ったのは、前職で一緒に働いていたとても優秀な同僚が、精神的な疾患を患ってしまったことからでした。その後、その方が就労移行支援という福祉サービスを利用するという話を聞き、その存在を初めて知ったんです。その仕事に興味を持ち、調べていた際にココルポートに出会いました。

谷中 前職は建築業界で働いており、現場監督の仕事に就いていました。その仕事をする中で、例えば「産休から職場復帰してからも、この仕事を続けていけるのだろうか」と自身のライフプランを考えたことがあったんです。それが転職のきっかけとなりました。

人生のキャリアを考える上で、私はより深く人の生き方に関わる仕事がしたいと思いました。人材派遣業などの仕事に進もうかと調べているうちに、就労移行支援という仕事を見つけ、ココルポートと出会いました。当初は就労移行支援スタッフとして入社したのですが、そこで初めて自立訓練という福祉サービスを知り、その仕事からスタートすることになりました。

誰もが持つ強みに光を当てる

―― 入社後に得た、新たな気づきにはどのようなものがありましたか。

玉腰 入社して気づいたことは、障がいと一言で言っても、多様だということです。誰でも必ず持っている強みがあります。その強みをしっかり伸ばし、その方が生きるための仕事ができるよう、支援していくことが私の使命だと思っています。
例えば、障がいがあると何かができないということに意識が向きやすいですが、その人の強みに光を当てると、一般の方よりもより集中して作業ができたり、プログラミングのような難しいことを反復してたくさん処理できたりする方が多いということに気づきました。

谷中 それは自立訓練のご利用者様にも共通することです。ある分野で長けている能力をお持ちの方が多いと実感しています。障がい名があるけれども、私たちと何が違うのだろうかと思うこともあります。得手不得手があるのは、私たちと同じです。できることを1個ずつ増やしていく、どうしたらできるのかを一緒に考えていく。お互いを理解し合いながら丁寧に進めていくことが大切な仕事なのだと思います。

―― お仕事をする中で、エネルギーが必要だと思うのはどのようなことがありますか。

玉腰 ご利用者様のお話に対して傾聴するということや、話しやすい雰囲気をつくることなどには、とてもエネルギーが必要だと思います。そこから信頼が生まれ、会話に発展するので、とても大切なことです。その場の空気に対しての感度を高く持ち、細かい配慮が必要だと思います。

谷中 私はご利用者様に対して、「体調はいかがですか?」などの毎日の挨拶を大切にしています。その方が、「自分のことを気にかけてくれているんだ」と気づいていただけるような配慮を欠かさないように心がけています。私はあなたと一緒に目的を達成したいという姿勢を示す。それは言葉や態度、雰囲気で、伝わるように意識しています。

笑顔と好奇心で前進する

―― 就労移行支援、自立訓練というお仕事をする中で、どのようなことを大事にされていますか。

谷中 私を含めたスタッフ側が、笑顔で楽しそうに仕事をしていることが大切です。自立訓練のご利用者様は、特に若年層の方が多く、働いた経験がないという方が多数いらっしゃいます。その方が通っている場で働く私たちを見て、「働くことはこんなに大変なんだ」と幻滅してほしくありません。私はいつも、ご利用者様に「今日も元気ですか?」と笑顔で話しかけています。「谷中さんのように楽観的に生きたいです」と言われたこともあるくらいです。「そうなんですよ、楽観的でいいんです」と伝えています。

玉腰 私の場合は、物事を前向きにとらえるための好奇心が大事だと思っています。ご利用者様が辛そうであれば、そのお気持ちを受け止めてから「そうだったんですね。それは辛かったですね」と寄り添うようにします。そこから、就業するための目標を一緒に設定していきます。その方の進みたい方向性や可能性が、どうしたら開いていくかを考え、そこに対する好奇心を持って仕事をしています。リレート活動などで外部と関わるときも同様です。こうしたら良くなるという前向きな解決方法を提案するなど、好奇心を持って課題に取り組む方が、良い影響を与えられると思っています。

―― リレート活動は、どのぐらいの頻度で行われているのでしょうか。

玉腰 リレート活動は、地域とのつながりを深めていくための活動です。地域のクリニックや、行政、ココルポートの就労支援で入社された方がいらっしゃる企業様をフォローしています。活動頻度は、地域によって違ってきます。月に何件リレート活動を行ったなどを定量化して、必要に応じて確認できるようにしています。

まだ障がい者雇用を始めていない、もしくは始めてみたいという企業様から、問い合わせを受け、お伺いすることもあります。厚生労働省のホームページによると、日本での法定雇用率達成企業は令和4年のデータで48.3%となっています。そういう状況の中で、企業側の受け入れサポート、障がい者の方への接し方のアドバイスをすることもあります。

谷中 私の場合は、週に1、2回近隣のクリニックや関連する施設などに、ココルポートの事業所案内をするため外出する機会があります。自立訓練は、地域にある企業様よりも学校と接する機会が多いんです。通信制の高校や、特別支援学校、全日制の高校からお問い合わせをいただきます。不登校や引きこもってしまっている方々に対して、自立訓練という選択肢がまだ世の中にあまり知られていません。リレート活動は、自立訓練の認知を広げていくための活動でもあります。

私が担当している大宮地区では、地域で障がい者を支えるネットワーク会議というのが立ち上がっています。ココルポートのご利用者様の近況についてなど、共有をする機会があります。

一つひとつの可能性を拓くことが喜びになる

―― ご利用者様との信頼をどのように作っているのでしょうか。

玉腰 ココルポートに期待を持って、施設へ通ってくださる方がいらっしゃいます。その方に対して誠実に実直に、サポートを行っていく。例えば自立訓練だったら、身の回りのことができるようになった。就労移行支援であれば、就職先が決まったなど、目標を実現することに注力します。その結果を見た周囲の皆さんも喜んでくださいますし、信頼をつくることにもなります。

加えて、障がいのある方の表現の仕方を尊重して「聴く」ことが大切です。例えば、あるご利用者様がプログラマーの仕事がしたいと話されているとします。その言葉を私がそのまま受け取らず、就職がしたいと大まかに捉えてしまうと、解釈のずれが生まれてしまいます。その方の表現を聴き、そのまま受け入れて理解することが大切なんです。

谷中 ご利用者様やその周囲の方々と関わる上で、私が大事にしているのは、「知る」ということです。会話を通して相手に関心を持って接することが、その方や場の安心につながると思います。一つひとつの小さな積み重ねが、信頼につながります。

―― この仕事をするうえで、どのようなところにやりがいを感じていますか。

玉腰 ご利用者様と毎日顔を合わせる中で、少しでも変化が見られたときに、この仕事へのやりがいを感じることが多くあります。例えば、以前は目を合わせずに挨拶をしていたのに、今日は目が合ったというような、小さなことでもいいんです。その小さな変化が、今後の就職に結びついていく大切な成長です。その成長を経て、さまざまな企業へと就職されています。事務職・サービス職・運搬などの仕事の他に、プログラマーや、看護師、介護福祉士、税理士のような専門性の高い仕事に就く方もいらっしゃいます。

谷中 私もご利用者様の変化が目に見えてわかると、とても嬉しく思います。自立訓練のご利用者様には若年層の方が多くいらっしゃいます。あるご利用者様は、高校を卒業してから長らく家から出ずにいたのに、今は週に5日はココルポートの事業所へ行くことが出来るようになりました。そのことに対して、私は意識的にお伝えするようにしています。すると、少し経った頃に「これが出来るようになったんです」と、ご利用者様から私たちに伝えてくださるんです。

そこでやっとご自身の変化に気づくという成長の過程があります。その保護者の方々もご利用者様の成長を感じていただけている。周囲の方々と一緒に喜ぶことができることが、この仕事のやりがいにつながっているんです。

私は「人の生き方に深く関わる仕事をしたい」という想いから、今の仕事を選びました。そこには人の成長を支援するという想いもあります。私がその方に関わったことで、その方の人生が良い方向へ向かっていくと嬉しく思います。

11個の行動指針で原点に立ち返る

―― ココルポートの魅力をお聞かせいただけますか。

玉腰 私たちは、「ココルポートイレブン」という11個の行動指針を制定しています。ココルポートイレブンは、以前それぞれの事業所で働いていた現場スタッフの方々が、書き出した言葉を集めたものです。私たちが仕事でどうすべきかを迷ったときに、ココルポートイレブンに目を通すと初心に立ち返ることができます。先輩方がつくったこの行動指針を私たちが受け継いでいく。ココルポートイレブンがあることで、企業の文化や価値を次世代につないで行けることが魅力だと思います。

谷中 私が思うココルポートの魅力は、経営層の方々との距離がとても近いことです。社長の佐原や取締役の長尾もそうですし、いろんな経営層の方々と関わる機会が多い組織です。スタッフに対しても、気軽に声を掛けてくださいます。その気配りのお陰で、皆で一緒に仕事に取り組んでいるんだということや、会社の方向性を知ることができます。今、社員数は700人ほどいる中で、同じ目標に向かっていると感じられます。

―― 仕事を通じ、これからどのようなことを実現していきたいでしょうか。

玉腰 周囲の人や環境に良い影響を及ぼせられる、人の役に立つ人間になりたいと思っています。自分が関わることで、少しでもその方の体調が良くなり、前向きになっていただけるような仕事をしていければと思います。この仕事をしていった延長線上に、私の達成したいキャリアもあると思っています。

谷中 障がいがある方も生きやすい社会になるように、私たちが提供しているような福祉サービスの存在を、多くの方に知っていただきたいと思っています。例えばリレート活動の中では、全日制の高校などを回らせていただき、一つひとつ丁寧に進めていくことが今の私にできることです。

メンタル不調に陥る可能性は誰にでも起こり得ます。だからこそ、このような福祉サービスが受けられるという知識を、多くの方に持っていただきたいんです。福祉関係のお仕事をされている方の中にも、自立訓練を知らないという方もいらっしゃいます。私たちが自立訓練という福祉サービスの認知を広げていくことが重要です。

 

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