2026.05.20

テルモ株式会社 “当たり前の日常”を支える医療イノベーション

代表取締役社長 CEO
鮫島 光さん

医療を通じて社会に貢献するテルモは、世界のトップブランドとして信頼されるべく、医療課題の解決に挑み続けています。グローバルで存在感を高めるテルモの原動力とは?CEOの鮫島光さんにお話を伺いました。

テルモは体温計の国産化から始まり、現在は医療機器、血液・細胞技術、心血管などの分野で医療の革新に挑戦し続けています。

2025年、企業理念を実現するために、患者さんへの揺るぎない約束を示す「Our Promise 私たちの約束」を定めました。患者さんの希望や願いを深く理解することで、世界中の患者さんの生活の質の向上につながるイノベーションを追求していきます。

具体的な取り組みをひとつご紹介しましょう。アフリカ諸国で多くの命を奪ってきた「鎌状赤血球症」という遺伝性の病気があります。強い痛みや脳卒中などの重篤な症状や、新生児の死亡の原因となる可能性もある疾患です。しかし 、アフリカの多くの国では、病気の撲滅が公衆衛生の優先課題として十分に認識されていませんでした。そこで、私たちはコートジボワール、ケニア、ウガンダの各国政府と連携し鎌状赤血球症の予防・早期検査から重篤患者の治療まで包括的なケア体制を構築しました。各国政府からも非常に感謝され、経済産業省からも貢献が認められ助成金が提供されています。

私はテルモに大きなポテンシャルを感じています。痛みや合併症の減少を目指した開発技術、高性能かつ高品質なデバイスを大量につくれる生産技術、「病気を治し、患者さんがご家族や周囲の人と共に笑顔になる世界を広げていきたい」という想い。3万人のアソシエイト(社員)による日々の挑戦がテルモを形づくっています。グローバルリーディングカンパニーを目指しながら、医療に真摯に向き合う企業文化を大切にする日本発のユニークな存在として世界に存在感を示していく。その目標に一歩でも近づくために尽力するのが、私の使命です。

幼少期から大学卒業まで、何度も引っ越しを経験しました。子ども時代はインドネシアで過ごし、帰国後も九州や都内を転々とし、大学時代はアメリカへ1年間の留学。こうした環境の変化を通じて、価値観の違いを受け入れる柔軟性が培われたのだと感じています。

留学先のアメリカで、ある日、「義理の父がくるので釣りに行く」と言ってあっさり授業を休む語学学校の講師がいました。彼はMITを卒業したあと、プライベートを優先した生活を送るため地方に移住していたのです。日本の“仕事一辺倒”の価値観に染まっていた私は、大きな衝撃を受けました。「人生の軸は仕事の成功だけではない」、と。この気づきが、のちに“患者さんの日常を支える”テルモのあり方に、共鳴する土壌になっていったのかもしれません。

帰国後は「グローバル」という軸で就職活動を開始し、東亜燃料工業株式会社(現ENEOS株式会社)へ入社。30代半ばで、グローバルでチャレンジする機会が多い環境に身を置きたいと思い、シティバンクを経て、テルモに入社しました。 2002年、テルモへ入社した私は、スコットランドにある人工血管の会社の買収に携わります。その後、買収した会社をテルモと一体の組織として機能させるため、本社代表として現地に赴き、統合を担う役割を任されました。医療について門外漢だった私はこの経験を通じて一から学び、「医療を通じて社会に貢献する」という意味を肌で感じました。

「社会に貢献する」という軸は、私の中で大きな意味を持っています。個人が個性や能力の違いを持ち寄り、力を発揮することで世の中が回っています。心地よい家で安心して眠れるという「当たり前の日常」の裏には、誰かの貢献が必ずあります。

テルモでは、一人ひとりが力を最大限に発揮できるよう対話を重視しています。私自身でいえば、1年で55回のタウンホールミーティングの実施や社長ブログ「Here & Now」の発信などを行ってきました。対話を重視するのは、私の考えや会社の動きをアソシエイトに知ってもらうことに加え、現場の悩みや望みを直接聞き、組織運営のヒントをもらいたいという考えからです。

お互いの話に耳を傾けわかり合えなければ、一緒に遠くまで走り続けることはできません。「患者さんに貢献できる」ことに共感頂ける方とテルモの挑戦を続けたいと願っています。ぜひ一人でも多くの方に門戸を叩いていただけるとうれしいです。


テルモは「医療を通じて社会に貢献する」という理念のもと、100年以上にわたり世界の医療現場を支えてきた、日本発のメディカルイノベーションカンパニーです。体温計の国産化から始まった歩みは、現在、心血管治療や血液・細胞技術などの先端領域へと広がっています。アソシエイト(社員)の8割以上が海外に在籍し、事業は160カ国以上に展開。国境や職種を越えた連携が日常的に行われています。

また、「一人ひとりの成長が会社の成長を支える」という考え方を大切にし、若手の育成にも力を入れています。選抜型の育成研修や社内公募制度など、自律的なキャリア形成を支える仕組みも整っており、自分らしく挑戦し、専門性を磨き続けられる環境があります。患者さんの「当たり前の日常」を守るという使命に共感し、世界を舞台に成長していきたい方に、魅力的なフィールドが広がっています。


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