三菱ケミカル・クリンスイ|もっとおいしく、水道水が飲める世の中へ

左から、溝原さん、小松さん、青山さん、大久保さん

日本の「水」事情を深く知ろう

私たちは「コップ一杯の水をきれいに」をコンセプトに、浄水器などの製品を製造、販売しています。環境問題解決への貢献に取り組むクリンスイが「water alive水道水を飲もう!」のメッセージを通して、水についてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。

私たちにとって、いちばん身近な水は「水道水」だと思います。日本では蛇口をひねれば水を飲むことができます。これは当たり前のように感じますが、世界的に見ればとても特別で、恵まれていることです。

世界には190以上の国と地域がありますが、水道水がそのまま飲めるのは20カ国もないと言われています。
しかし問題も多く、例えば日本ではペットボトル水の消費量が年々増加しています。一般社団法人日本ミネラルウォーター協会の調査によると、2020年度のミネラルウォーター類の国内生産量・輸入量は、この20年間で4倍以上に膨れ上がっています。環境省の調査によると、人が利用しやすい河川や湖沼にある水は、地球上でわずか0.01%しかありませんが、それでも日本は水資源に恵まれた数少ない国なのです。

ペットボトル水は「容器の製造」「水の充填」「輸送」「管理」までに莫大なコストとエネルギーがかかる上、ほとんどの空きボトルはゴミになります。リサイクルに回ったとしても、「収集」「輸送」「粉砕」「洗浄」「加工」という手順をたどり、環境への負荷は避けられません。

もちろん、水道水も河川や湖沼の水をポンプで汲み上げて、浄水、殺菌し、水道管に送り出す過程でも電力を使うため、環境負荷はゼロではありません。それでも、ペットボトル水に比べれば圧倒的に少なく済みます。ものを原料から作り、流通し、消費されるまでの工程での温室効果ガス排出量を計算するLCA(ライフサイクル環境評価)の計算によると、クリンスイ浄水器に置き換えれば、温室効果ガスは99.6%の削減効果があると言います。(東京都市大学環境学部 伊坪徳宏教授 共同研究より)

昨今は環境意識が高まっていますが、まだ多くの人は喉が渇いたら何気なくペットボトル水を購入しています。この点を改善すれば、SDGsにも大きく貢献できるはずです。

日本の水道水の多くは河川から取り込みますが、1970年代に工場排水・生活排水の処理が十分でなく、公害問題が深刻になりました。その当時を知る方々は河川を見て、「この水を飲んだら健康に悪そう」という印象を持ったことでしょう。

実はその当時から、水道水は安全基準を維持していて、現在は環境改善と浄水技術の向上により品質はさらに高まっています。実はミネラルウォーターよりも水質基準項目も多く、ミネラルウォーターと同じくらいミネラル分は豊富に含まれています。改めて私たちは、日本では全国どこで水道水を飲んでも安全だと強調していきたいです。

ただし、場所によっては井戸水や湧き水が蛇口から出てくるところもあります。見た目は水道のようですが、管理基準は水道水とは異なることもあるため、この点だけは確認が必要です。


クリンスイの浄水カートリッジは、ミネラルウォーターよりもおトクでエコ

一般的に「水道水はあまりおいしくない」と感じる理由には、さまざまな要因が考えられます。水のおいしさは個人の感覚によりますが、浄水器協会「おいしい水の要件」では、多くの人がおいしいと感じるのは「ミネラル、炭酸ガス、酸素をバランスよく含み、有機物や臭気がきわめて少ない水」という特徴がありました。

しかし、水道水の「おいしさ」は地域によってバラつきがあります。水道水は安全面では厳格な基準がありますが、味に関する基準は「異常でないこと」となっています。そのため、どの河川から取水しているか、季節、水道管や取水槽や宅内配管の状態によっても水の味は違ってきます。水道水には「蛇口の数だけ味がある」と言えるかもしれません。

日本のすべての水を飲みやすく

ほかにも、水道水の味を特徴づける要因に「塩素」があります。塩素は消毒・殺菌のために添加され、水道水を安心・安全に届けるためには欠かせませんが、一方で水本来の風味を損ねてしまう成分でもあります。その点に対して、クリンスイ浄水器では塩素や赤さび、雑菌やマイクロサイズのプラスチックを取り除くことができます。

クリンスイの性能を知ってもらうために、私たちはイベントなどでオレンジュースをろ過する実験をすることがあります。これはYouTubeのクリンスイ公式チャンネルでも公開していて、ポット型浄水器の上部からオレンジジュースを注ぐと、クリンスイの浄水器を通って透明になった水が出てきます。これを見るとみなさんも驚かれますが、実際にその水を飲んでみると、ほのかにオレンジ特有の香りと甘みを感じられます。

ここから私たちの浄水器が何を除去し、透過するかをイメージしていただけるのではないでしょうか。クリンスイはミネラル分や水本来の風味は残しつつ、味の印象を損なう塩素や濁りなど、多くの人が「含まれていてほしくない」と思うものだけを取り除き、より飲みやすい水にします。

【クリンスイ】cleansui浄水器:オレンジジュースろ過実験

さらに私たちはこの技術を一歩進め、水の硬度を調整したり、電気分解によって飲用pH範囲でアルカリイオン水、酸性イオン水を生成できる製品も開発しています。

日本の水道水の多くは河川から取水していることは先に述べましたが、その水をさらに上流にたどれば、山に降った雨水が直接あるいは土中を通って短期間で河川に注がれるため、軟水が多くなります。欧州では雨水が岩盤層にまで滲(し)み込んで長い年月をかけ湧き出しているので、カルシウムやマグネシウムが溶け込んだ硬水が多い傾向にあります。

どちらの水がおいしいということではありませんが、特徴は違います。食と水とは切っても切れない関係であり、硬水に昆布を浸しても旨味が出にくい傾向にあります。そのため欧州の和食レストランでは、日本の軟水を空輸で調達していたりもします。また、同じ軟水でも硬度は地域によって異なり、関西は硬度が低いため出汁文化が発達し、関東は硬度が高いことから、出汁の弱さを補うために醤油文化が発達したとの説もあります。その土地の食文化は、その土地の水によって育まれたものでもあるのです。

そうした知見をヒントに、私たちは専門家の協力を得て「和食のための水」をつくる3種類(お米用、お茶用、出汁用)の浄水器を開発しました。「お米をおいしくする水」では香りが良く甘み、「お茶をおいしくする水」では香り・苦味・甘味・旨味・色の調和、「出汁をおいしくする水」では塩味もしっかりコクもある出汁の味を引き出せると好評いただいています。

このように、ろ材の配合などを調整することで、用途に合わせた商品ラインナップを充実させてきました。

マイボトルを持って、身近なところからSDGsに貢献しよう

私たちはこれまで「有害物質を確実に除去できる」という技術を競争の中で磨いてきました。今後、環境問題に真摯に向き合う中では、勝ち負けではなく「どうすれば社会に貢献できる企業になれるか」の視点で物事を考える方が大切になります。

私たちは、これまでペットボトル水を買っていた人には、ぜひマイボトルを持ち歩いていただきたいと思っています。毎日水を持ち歩けば、少なくともペットボトル1本分の使い捨てを減らせますし、全部飲んでしまった時は近くにある給水スポットで補充もできるようにもなりました。

私たちは2021年4月から、無料で給水スポットが探せるアプリ「mymizu(マイミズ)」を運営している一般社団法人 Social Innovation Japanとタッグを組み、使い捨てプラスチックの消費量削減と人々のよりサステナブルなライフスタイルを推進しています。

私たちも「mymizu CHALLENGE」と題して、社内メンバーはもちろん、総勢数約1000人が、このアプリを利用してチャレンジに参加しました。自分が1日に飲んでいる水の量や、場所ごとに微妙に異なる水道水の味、今まで廃棄していたペットボトルの多さなど、たくさんの気づきがありました。当初は「1人1日1本のペットボトルを削減しよう」という目標でしたが、1カ月やってみると目標の2倍、6万5000本分を削減できました。

2021年に三重県の多気町(たきちょう)にオープンしたリゾート施設「VISON」では、敷地内に水道直結型のウォーターサーバーを設置し、使い捨てペットボトルを減らすサポートをしています。VISON内にある「Cleansui House」では、水の飲み比べやワークショップなどといった体験もできる施設になっています。

今ではマイボトルを持ち歩くのは当たり前になり、日頃の買いものでも環境に配慮したものを選ぶなど、環境意識の変化が生活習慣にも現れています。しかも、お財布にも優しい取り組みだと好評です。何かを我慢せずに、直接的なメリットがあるのは嬉しいものです。

もちろん、これは「絶対にペットボトル水を買わないで」という運動ではありません。近くに無料給水スポットがなければペットボトル水を買わざるを得ません。まずは環境に配慮した取り組みに関心を持ち、気軽に始めることが大切です。マイボトルを1本持ち歩くことで、水について考え、意識をしてみるだけで、大きな前進になるはずです。

三菱ケミカル・クリンスイはこんな会社!

営業部3名の方にお話をうかがいました

 


海外営業部 小松さん

クリンスイの浄水技術は世界のシェフにも使われている

海外では硬水の国が多く、その水で出汁の旨味を出そうとすると難しいものです。そこでもクリンスイが活躍していて、世界トップの料理学校といわれる「Culinary Institute of America」とのイベントや、北米の有名なシェフにもクリンスイの良さが広がっています。

 


第一営業部 今井さん

日本の水が生んだ「和食文化」の継承

水の料理とも呼ばれる「和食」は、ユネスコ世界遺産に登録され、世界から注目を集めています。その一方で、和食でも使われているお米やお茶の消費は下がり続けています。そこで私たちは日本の水の企業として、和食の良さを伝えるイベントを継続的に実施しています。

 


第二営業部 加藤さん

クリンスイのロゴはなぜ赤なのか

水を扱うブランドはほとんど水色や青を使っていますが、クリンスイのロゴは赤色です。その理由は、水を扱う私たちや企業の姿勢を表しているからです。情熱、前向き、そしてレスキューの意味も含まれる赤。そんなクリンスイの赤には、水に対する既成概念を超えて新しいアイデアで未来を切り拓く前向きな姿勢を意味しています。

 

 

こんな会社で働きたい SDGs編2』より転載。

 

三菱ケミカル・クリンスイ株式会社
取材日:2021年10月29日
代表取締役:木下博之
設立:1983年4月
業務内容:クリンスイ浄水器(ビルドイン型、蛇口直結型、ポット型、据置型、業務用、シャワー)、アルカリイオン整水器、浄軟水器など、商品の企画・開発・販売

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