株式会社NEWOLD CAPITAL|M&Aで企業という名の社会的資源の循環を推進。経済的課題を解決し、サステナブルな社会の実現を目指す

(左)代表取締役CEO 栗原 弘行 さん (右) 戦略本部Associate 渡辺 紗里奈 さん

「企業と人の成長を実現する」というミッションを掲げ、中小企業のM&Aに取り組んでいるNEWOLD CAPITAL。企業を社会的資源と捉え、M&Aによって循環させ、事業継承などの社会課題の解決を推進している。サステナブルな社会構築に寄与するM&Aとは?

M&Aで社会的資源を循環させ、サステナブルな社会へ

NEWOLD CAPITALは、2022年に創業したM&Aアドバイザリーファームです。

創業メンバーは、大手M&Aコンサルティング会社において、長年にわたりM&Aの仲介支援をしてきました。社名の「NEWOLD」という言葉は造語で、NEW=皆が望む未来に向かうために、OLD=企業や人の持つ歴史を大切にする、つまりは温故知新に重きを置くマインドを表現しています。ミッションとしては「企業と人の成長を実現する」という言葉を掲げ、日々の業務に取り組んでいます。

M&Aという職業について、読者の皆さんはどのような印象を抱いているでしょうか。業務内容はさておき、成果報酬でインセンティブの比率が高いイメージをお持ちではないでしょうか。確かに、職業別の年収ランキングにおいて、大手M&A仲介会社が上位にランクインしているのは事実ですが、こと業務内容となると、外資系大手の投資銀行(IBD)が行っているM&Aと、私たちが主戦場とする中小企業向けのM&Aは明確に異なります。

そもそもM&Aとは「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」の略称で、複数の企業・事業を一社に統合し、新たな組織や資金を通じて価値創造を行う経営の取り組みを指します。私たちはM&Aを支援するアドバイザーの本質について、事業の継続をサポートすることで企業価値を高めることにあると考えています。

ここで、私たちが行っている中小企業向けのM&Aについて説明します。前提として、現在日本では、少子高齢化に伴う事業承継問題が大きな課題となっています。

経済産業省および中小企業庁の「中小M&A推進計画」では、向こう10年で約60万社が黒字廃業すると予測されています。人々から必要とされている中小企業、つまり「社会的資源」の喪失は、あきらかに日本の国力を弱めることにつながります。

このような状況下にあって、中小企業向けのM&Aに対するニーズは年々高まっており、私たち自身、日々の業務でお客様にお会いするたび、その需要の高まりをひしひしと感じています。需要の高まりに比例して、M&A支援業者も急速に増加しています。参入障壁が低いビジネスであるため、多数の企業がM&A支援機関に登録するようになったのです。そんな中、私たちはM&Aを成約させ、社会的に意義のある中小企業を存続させ、再成長させていくことに価値を見出しています。

先ほど、未来に残すべき価値のある企業および事業を「社会的資源」と表現しました。中小企業が長い時間をかけて蓄積してきた貴重な資産、つまりは社会的資源をM&Aによって循環させる。過疎化が進む地域において、M&Aによって元気な企業を生み出し、まちを活性化させる。私たちは、M&Aという事業そのものが、サステナブルな社会を構築するために必要な取り組みであると自負しています。

M&AとSDGsの関わりを大枠で考えると、国連によって定められている17項目のうち、「働きがいも経済成長も」「住み続けられるまちづくりを」「パートナーシップで目標を達成しよう」といった目標が当てはまると言えるでしょう。

十分な教育と女性アドバイザーの積極採用を推進

取締役COO 塚田 壮一朗 さん

M&A業界は急速に成長しており、各企業が積極的に人材を採用しています。アドバイザーが増えることは望ましいのですが、業界の規模の拡大するスピードがあまりにも早いため、教育面が追いついていないという側面があることも事実です。

大切な資源を持っている経営者の皆さんは、知識があって信頼できるプロフェッショナルなアドバイザーにM&Aを任せたいと思っています。一方、新しく参入してきたプレイヤーは、成果主義的なインセンティブ制度の影響が色濃く残る業界において高い報酬を得るために、売買のみを重んじる傾向にあります。しかし、本来のM&Aとは売買を成立させたのちに始まるものなので、成約ありきのM&Aは、社会的資源を循環させていくことへの妨げになります。

経験が浅く若いアドバイザーには、十分な教育が必要です。しかし、成果主義が行き渡る業界ゆえに、経験豊富なアドバイザーは自身のこと以外に時間を割く余裕がなく、またノウハウをオープンにすることも多くはありません。

中小のM&Aマーケットにおいて、中小企業と接点をつくるという意味合いでは私たちの業務内容は、大きくセールスマネジメントとディールマネジメントに分けられます。後者は、財務、税務、法務、労務にまつわる複雑な法律の知識を踏まえ、一件ごとにシチュエーションがまったく異なるM&Aに対応して意思決定の伴走を務めなければならないものです。

当社では、セールスマネジメントよりもこのスキルを磨くことを優先して教育し、企業文化として定着させようと努力しています。まずはM&Aのプロフェッショナルを目指してもらい、そのあとに、メンバーのマネジメントをする経験値を積んでもらいたいと思っています。

また、教育の一環として、社内において週一回のペースで勉強会を実施しています。未経験の新人を対象に、M&Aの事例検討を行い、シナジー創出のポイントや決算書から導き出される評価についてディスカッションをしたり、エクセルやパワーポイントなどを使った業務効率化の情報を共有したりすることで、未経験者のスキルアップに役立てています。このような場を設けているのは、人をコストではなく資源として捉えているからです。

ジェンダー平等の確立も非常に重要です。M&A業界においては、男性アドバイザーが99・5パーセントを占めており、企業によっては、女性アドバイザーが1パーセントに満たないケースもあります。当社は積極的に女性を採用しており、現在、27名中5名が女性です。性差に関係なくM&Aに向いている人材を育てると同時に、今後はライフステージに配慮した制度の整備に加え、性差に関わらず気兼ねなく言いたいことが言える社内の雰囲気づくりにも力を入れていきたいと思います。

また、当社では社外に向けた複数の取り組みを推進しています。まず一つは、2023年4月にローンチした「NEWOLD ABLE」というM&Aの教育サービスです。これまでの豊富なM&Aの経験から、現場感を大切にしてノウハウを全て詰め込みました。

サブスクリプションタイプで3つのコースを用意しており、未経験者でも身近に感じていただけるように、100コンテンツを超えるアニメーション動画によるeラーニングサービスや、M&A実務者向けに1000を超えるM&Aの論点の解決策が詰まった辞書サービス、個別具体的な案件に対するセカンドオピニオンサービスを提供しています。M&Aを検討している企業の担当者や、M&A業界に興味のある方、金融機関で融資業務をしている方、就職後に確かな知識を得たい方を対象として想定しています。

もう一つの取り組みとして、「VALUE UP Program」も紹介します。こちらは企業価値を向上させることに主眼を置き、中長期的に伴走するサービスです。定期的にお客様と面談を行い、財務面やビジネス面における支援をさせていただいています。具体例としては、インサイドセールスの立ち上げに関わった経験があります。直接的にM&Aと関わりのあるサービスではありませんが、将来的にM&Aの可能性があるお客様と向き合い、付加価値としてのサービスを提供したいと考えています。

さらに当社は「NEWOLD AGENT:経営人材紹介サービス」も行っています。M&Aビジネスに携わる中で「M&Aで譲り受けたいけれど、経営管理できる人材がいない」といったお悩みを多数受けています。人材の課題解決は、売買のみを支援するM&A仲介会社ではご支援が難しい領域ですが、私たちは実際に譲渡企業と経営管理できるCxO人材を同時にご紹介できるため、譲受企業のお悩みに寄り添ったご提案ができます。また、譲渡企業にとっても人材・管理体制が整った譲受企業に事業を承継することができるため、円滑な経営の承継をすることができます。

この他、これからの日本を担う大学に向けた講演活動にも取り組んでいます。M&Aの重要性や仕事のやりがいを知ってもらうことによって、M&A業界に興味を持っていただくことがねらいです。これまで行った講演では、ポジティブなフィードバックを多くいただいており、M&Aに関心を持っていただけていると実感しています。

内部留保を活用して子どもたちの未来に直接投資

冒頭で、中小企業そのものが社会的資源であるというお話をしました。私たちは、M&Aを成約させることによって、貴重な社会的資源の一部を手数料としていただいていると解釈しています。

この資源を活用し、子どもたちの未来に対する直接投資を行っているのも当社の特徴です。成約一件につき、いただいた手数料のうちパーセンテージを決め、譲渡企業や譲受企業、案件担当者が関係する地域、教育団体や非営利団体、スポーツ団体への寄付を行っています。具体例として、2023年2月には、静岡県御殿場市に本社を構える譲渡企業、譲受企業と当社の3社より静岡県御殿場市への寄付を実施しています。今後は、社会貢献を前提としたビジネスにチャレンジする人や団体への投資にも積極的に取り組んでいく予定です。

M&Aという仕事は、企業と企業の資源を組み合わせて価値を生み出しますが、ものづくり企業のように可視化できる何かが手元に残るわけではありません。M&A業界の社会貢献をさらに推進していくためには、一社一社、一人ひとりが率先して行動する必要があります。当社が行っている寄付はその一環です。

そんな当社が求める人材は、社会貢献に興味のある方はもちろん、成長意欲のある方です。M&Aアドバイザーは、企業と人の成長を実現させる仕事なので、他者よりも「成長したい」という意欲が強ければ強いほど向いています。学歴や職歴があまり関係しないビジネスモデルなので、自己成長への強い覚悟のある方は、積極的に採用したいと考えています。

もしM&A企業への就職や転職を考えているのなら、会社のネームバリューや給与面だけではなく、M&Aというビジネスの本質や、そこに付帯して社会にどのような貢献をしたいかを考えるといいのではないでしょうか。またそれ以前に、さまざまな業種の中からM&A企業での就職を検討している場合には、企業選びではなく「職業選び」を意識することをおすすめします。

M&Aアドバイザーという職業は非常に守備範囲が広く、かつ専門性も高いことが特徴です。また、ビジネスとして高い収益性を生み出しながらも、社会性が高いビジネスであり、プロフェッショナルとして特殊な経験と能力が身につく職業であると考えております。

自分が将来的にどのようになりたいのか? どのような経験を積んでいきたいのか? 我々の実体験を踏まえ、「職業選び」においても、M&Aという職業は心からおすすめです。

こんな会社で働きたい サステナブルな社会実現のために SDGs編3』より転載。

 

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