
PROFILE
代表取締役社長
近藤 聡
早稲田大学商学部卒業後、大手コンサルティングファームに入社。自動車・ハイテク業界を中心に、企業戦略、オペレーション改革、海外展開戦略の策定・実行支援などクロスボーダーを含むプロジェクトを数多く手掛ける。デロイトトーマツコンサルティング社長を経て、2019年1月にEY JapanにてJapan Regional Leadership Teamの一員として、EY Japanの成長戦略の立案から実行までを統括する。20年10月より現職。
パーパスを軸に、社会課題の解決に挑む。圧倒的な個性と強さを持つコンサルティングファームへ――EYSCは次の成長ステージへ踏み出した。
※『徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド』(クロスメディアHR総合研究所著)から一部を抜粋し、掲載。
世界の「ビッグ4」に位置するプロフェッショナル集団
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)が設立されたのは、2020年10月。そう聞くと歴史の浅い会社と思われるかもしれませんが、EY自体は19世紀半ばの英国に起源を持ち、世界各地で100年を優に超える活動を続ける企業群です。現在では、150以上の国と地域に約40万人のメンバーを擁する強大なネットワークを築いています。
世界4大プロフェッショナルファーム、いわゆる「ビッグ4」の一角に位置する存在であり、コンサルティング、アシュアランス(監査・保証)、税務、ストラテジー・アンド・トランザクション(M&Aなど)の4つのサービスラインを備えています。
EYSCはそのメンバーファームのひとつ。グローバルと同様に監査法人、税理士法人など多彩なサービスラインを擁するEY Japanの一員として、経営コンサルティングと戦略的トランザクションという、大きく分けて2つの領域をカバーしています。
具体的には、戦略策定、M&A、ファイナンス、リスク管理、人事・組織、テクノロジー、そして業界支援といった領域を幅広く横断し、戦略から実行、トランスフォーメーションの実現までを一気通貫でサポートする体制です。
圧倒的な個性と強さを放つ独自の存在へ
このような総合プロフェッショナルファームではありますが、日本では2010年代まで監査業務の比率が高く、当社が現在カバーしている戦略やコンサルティングの領域については他の大手ファームに水をあけられた状態でした。その挽回を期して誕生したのが、EYSCです。
この数年、特にわれわれが「セクターフォーカス」と呼ぶ、産業別のコンサルティングサービスの強化策を中心にテコ入れを図った結果、年率30〜40%という高い成長率で業績を伸ばすことができました。
業界ごとに専門性を備えたプロフェッショナル集団を形成し、クライアントの経営課題を起点に業界全体の最適化、ひいては社会課題にまでアプローチする志と視座の高さが受け入れられたのでしょう。
その拡大路線にも一区切りがつき、ほとんどの領域で他の大手ファームに比べても遜色のない実績とシェア、存在感を得られるまでに成長できたのではないかと思っています。
これからは、次のステージに向けた強みの再確認と戦略づくり、体制固めを進めていく。その再加速フェーズにあるのがいまの段階です。ただがむしゃらに拡大成長を志向する時期はもう終わっています。他社と同じようなことをしている限り、同じような大手がもうひとつ増えるだけのことで面白くありません。
まだ誰も見たことのない、圧倒的な個性と強さを持つコンサルティングファームを出現させる。それが目下のミッションです。そのためには、ある領域に向けて戦略的に投資を強めていく必要があるでしょう。
EYのグローバルネットワークは2024年7月、経営体制を刷新するとともに「All in」という新しい戦略を打ち出しました。
監査品質のさらなる向上をはじめ、サステナビリティ経営への支援、BPO(業務委託)などのマネージドサービスの強化、テクノロジーを含むトランスフォーメーション(変革)促進といった領域に戦略的に投資を行い、外部のステークホルダーとの連携をこれまで以上に強めながら、顧客や社会が直面する課題への対応を加速させていく方針です。そこには自社も顧客も、社会も含むすべての関係者がひとつとなり(All in)、より良い社会の構築を目指して力を尽くすという決意が込められています。
われわれEYSCもこうした動きと歩調を合わせ、成長へのギアをさらに一段、上げていく。その第二のスタートラインに立っています。
社会課題解決を使命に据えるEYのパーパス経営
EYSCが追求する「圧倒的な強み」とは何か。それを求め、自分たちこそがトップリーダーの座に就こうと、各領域のメンバーがそれぞれの専門性を発揮し、競争と協働を重ねています。実際、相応の実績を上げているチームがあるのは確かですが、周囲を圧倒するにはまだ及びません。どの分野も伸びしろはあり、絶え間ない成長段階にある。だからこそ面白いとも言えます。
しかし、強みを生み出す源泉はただひとつ。全世界のEYがすべての活動のよりどころとするパーパス(存在意義)にあります。
「Building a better working world 〜より良い社会の構築を目指して」
どのような強みであろうと、ここを基軸に生まれる新たな力、新たな価値によるものであることは間違いありません。なぜなら、われわれが解決しようとする課題はすべて、このパーパスを起点にあるべき姿を描き、そこからのバックキャストで戦略を立て、実行に導くことを基本としているからです。それは、将来あるべき地球の姿、社会のカタチを構想し、そこに至る道筋を読み解くことで個社の課題、業界の課題を見極める行為にほかなりません。
気候変動や地球資源、地政学リスクなどさまざまな問題が社会を取り巻き、革新的テクノロジーの進展とも相まって複雑に変容する時代にあって、企業の課題はもはや一社だけのものではなく、その先にある業界や社会全体の課題と不可分な関係となっています。われわれコンサルタントの使命は第一にクライアントの課題解決にありますが、そこにとどまっている限りは真の解決に至ることはできないのです。
EYでは、社会を良くする視点なくして個社の幸せはない、と考えます。パーパスの理念と並んで「長期的価値(Long-term value)」に重きを置き、目先の利益にとらわれることなく、事業の持続的成長と経済、社会の発展を同じ文脈で希求する姿勢も、そこから生まれてくるものです。
社会の課題に立ち向かうのに、ひとつの組織、ひとりの力ではまったく歯が立ちません。EYでは他者との協力は必須です。
社内の他部門、他チームとの連携はもとより、社外の専門家や行政、学術機関、時にはライバルと手を組むこともありますし、業界全体を巻き込んだり、異業種との協業や官民の連携を追求したりすることも少なくありません。あとで述べるように、業界横断で社会課題に取り組む専門ユニットを組織し、従来のコンサルティング会社のイメージを超えたシンクタンク的な役割を果たしているメンバーもいます。
このような「コラボレーション」はEYではもはや当然のことであり、こうありたいと願う理想ではなく、すでにある現実です。EYの強みのもうひとつの源泉と言い換えてもいいでしょう。EYSCに在籍する約4,000名の各メンバーが、 パーパスの理念から発する仕事の進め方や組織の在り方に共鳴して、ここに集まってくれています。
パーパス(存在意義)
Building a better working world
より良い社会の構築を目指して
EYは、短期的な収益ではなく、社会にどのような価値を残せるかを軸に経営判断を行っています。
例えば半年で大きな利益が見込める案件と、規模は小さくとも社会貢献性の高い案件が並んだ場合、パーパスに立ち返り、後者を選択することがあります。これは事業性を軽視しているわけではなく、価値の定義を短期収益ではなく、長期的な社会へのインパクトに置いてるから。
EYが重視する数字は、売上や利益だけではありません。事業者や地域住民の満足度、社会へのポジティブな影響、そしてそこからバックキャストされた取り組みの意義や効果が重要な評価軸となります。官民連携による地域価値向上プロジェクトなどは、その象徴的な実践例です。
こうした思想は、ビッグ4の中でもいち早くパーパス経営に取り組んできたEYならではのものです。
クライアントを良くし、その先にある社会を良くする。その考え方は、戦略コンサルティング強化という全社戦略にも表れています。需要の大きいIT・DX領域に偏るのではなく、「クライアントにとって本来あるべき存在」を問い続けた結果としての選択です。
EYのパーパス経営は、理念ではなく、日々の意思決定と行動の中に息づいています。
「徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド」
クロスメディアHR総合研究所/クロスメディア・パブリッシング刊
ありそうでなかった「総合コンサル志望者」のための一冊
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