
プロフィール
テクノロジー/メディア・エンターテインメント/テレコムセクター
パートナー 酒井 康憲
連結会計システムおよびITリスクマネジメントのプロフェッショナルとして20年以上、数多くのクライアントへサービスを提供。2012年、EY新日本有限責任監査法人にてパートナーに昇格。2017年、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EYSC)立ち上げに参画。
一人ひとりのマイパーパスを起点に、素直さと経験で成長していく。
EYが大切にするバリューと人、キャリアの考え方を紐解く。
※『徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド』(クロスメディアHR総合研究所著)から一部を抜粋し、掲載。
VALUES
EYの3つのバリュー
・誠実、相互の敬意、協働、インクルーシブな精神の実践
・人々をリードする活力、情熱、勇気の保持
・正しいことを実行することによる信頼関係の構築
3つのバリューが根づき人間性を育む企業文化
全世界のEYで共通する3つのバリューは、EYの在り方を定義する価値基準です。平たく言えば、「互いをリスペクトして物事に当たること」「情熱を持って業務に取り組むこと」「正しいことを言う勇気を持つこと」。これらの言葉は、特段珍しいものではないかもしれません。しかし、これらを実直に体現し、企業文化として根づかせていることが、当社の特徴です。
入社を希望される方に応募理由を聞くと、「社員たちのマイルドな人柄に惹かれた」という答えをもらうことがよくあります。当社はダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス(DE&I)を重要な経営戦略のひとつとして位置づけています。多様性を活かして力に変えるインクルーシブな文化は、これからの不確実な時代に対応する組織には欠かせない要素です。
一人ひとりが尊重される心理的安全性の高さが、成果を生み出すチームづくりにつながる。こうしたリスペクトし合う文化が、「マイルド」と評価される人間性を育んでいるのかもしれません。
一方で、社内外問わず、厳しいことを言わなければならないときもあります。耳当たりのよい言葉は、短期的には相手を喜ばせるかもしれない。しかし、バリューに立ち返れば、誠実に、必要な情報を伝えるのが、あるべき姿です。3つのバリューは、私たちが判断に迷ったときに、「クライアントのためになるか」「社会のためになるか」を考える指針になっています。
当社を選ぶ理由はどこにあるのか。専門能力を発揮して価値を提供する、というのは当然のことですが、単にプロフェッショナルとして優れているだけでは選んでいただけないでしょう。バリューを体現する「人」の力が、EYの競争力の源泉なのです。
「素直さ」はプロとしての必須スキル
当社に入社したビジネスコンサルタントは、まず若手社員組織Advisory Consultant Group(以下、ACG)に所属します。最初の2カ月半は、新入社員研修として、マインドセットからロジカルシンキング、財務・会計、PCスキルまで、コンサルティングの基礎を習得する期間です。
研修の過程ではテストがあり、すべて合格すると1カ月半の「プロジェクトフィールド研修」というOJTへ進みます。約4カ月間の研修を経て一定の評価を得たら、初めて顧客から報酬をいただくプロフェッショナルとして、プロジェクトに配属されます。配属後も定期的なフィードバックや職階別・年次別の研修機会が豊富にあります。
活躍している社員に共通しているのは「素直さ」です。「素直さ」は、単なる「従順さ」ではありません。指摘を「自分ごと」として捉えられる姿勢です。「素直さ」を持ち合わせた社員は、人の話を正面から受け止め、自分の成長に活かそうとする。逆に、指摘に対して戸惑ったり、「私は悪くない」と防御的になったりすると、成長の機会を逃してしまいます。
「人の話を素直に聞けること」は、性格に由来するというよりも、プロフェッショナルとして必須の「スキル」です。若手社員には、「チーム内でのフィードバックはクライアントの声」と伝えています。時には、指摘を理不尽に感じることもあるかもしれません。しかし、クライアントに指摘を受けたら、言い訳の余地はない。プロとして現場に出る以上、クレームが発生したら真摯に受け止め、改善すべきです。うまくいった場合でも、「次はどうすればさらに良くなるか」と考えることが大切です。
フィードバックをもとに自らの仕事を振り返り、改善を積み重ねることが、プロフェッショナルとしての実力を確かなものにしていきます。

多種多様な経験がコンサルタントを育てる
入社時点でキャリアの方向性を決めている社員もいますが、キャリア初期においては、特定の領域に固執せず、さまざまな経験を積んでほしいと考えています。
たとえば、リスクマネジメントなどは、イメージがつきづらく、最初から興味を持っている社員は多くいません。しかし、実際に取り組んでみるとアカデミックで奥深く、企業経営にとってクリティカルな分野であることがわかります。役員クラスと直接対話する機会も多い。実際に経験することで、自分の知らないキャリアの可能性に気づくことができます。
ACGに所属する若手社員は、業務の需要と供給のバランスを考慮しつつも、多様なプロジェクトにアサインされます。期間は平均して約3年間ですが、早く自分の道を決める人もいれば、長く時間を取る社員もいます。そうして経験を積んでから「シニアコンサルタント」へ昇格するタイミングで、ストラテジーやビジネスコンサルティングなどに専門領域が定まっていきます。
ACG卒業後のキャリアパスも、一直線とは限りません。特定の専門スキル(コンピテンシー)からスタートし、徐々に特定の業界(インダストリー)のプロフェッショナルへシフトすることも、その逆も可能です。最終的な目標が別にあっても、あえて若手の時期にテクノロジー領域でERP(人事・財務・製造など)やAIの知見を深めるという戦略を取る社員もいます。
また、組織間のコラボレーションが活発で、所属組織のプロジェクト以外に、部署を横断して別のプロジェクトに関わることが多くあります。クライアントに対し、EYSCとして最善の提案をするためです。こうしたコラボレーションの機会も、社員の成長機会につながっています。
コラボレーションを促進するためには、協力した者が正当に評価される仕組みが欠かせません。メインの担当案件以外に、部分的に関わった案件についても、業績として適切にカウントする制度を設けています。
会社はパーパス(存在意義)実現の「プラットフォーム」
キャリアを描くうえで大切なのは、「自分で選んでいく」という主体的な姿勢です。当社では、すべての社員が自分なりの「マイパーパス」を持っています。将来どうなりたいか。それを達成するために必要なスキル・知識・経験は何か。経験を積むには時間が必要ですが、「何を経験するか」は自分で選ぶことができます。
また、必ずしもいまの業務や枠組みの中で考える必要はありません。たとえば「EY Ripples」では、Corporate Responsibility(CR)プログラムとして、業務やフィーと関係なく、次世代教育や環境問題への取り組みを展開しています。当社では、こうした社会貢献活動に高い関心を持つ社員が数多く活躍しています。
組織も時代とともに変化していきます。いまは時流に応じて「AI&データ」というユニットがありますが、10年後にも存在するとは限りません。「どこに所属するか」ではなく、「何をするか」を考えることが大切です。
社員には、会社をマイパーパスの実現のプラットフォームとして利用してほしいと思っています。実現したいプロジェクトがあったら、投資を引き出すこともできるかもしれません。私たちのパーパスとして掲げている「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」と合致するならば、挑戦を後押しする組織です。組織のリソースをどう活用するかという視点を持つことで、可能性は大きく広がります。
当社に入社した社員の多くは、いずれ卒業し、他のファームや事業会社、あるいは起業といった新たな道へ進みます。EYSCが輩出した人材が社内外で活躍することが、EYSCブランドを形づくっています。企業文化は、新卒から育ったプロパー社員によって深く根づきます。学校で附属校出身者が校風を強めるように、企業でもプロパー社員がその会社らしさを示す存在となり、ブランドの核を形成します。
EYSCで育ち、バリューを体現する社員たちがEYSCブランドをつくる。卒業しても、社外での活躍がブランド価値を高めてくれる。経験を積んだ彼らが将来的に当社に戻ったときには、パートナーとして新たな価値をもたらしてくれるでしょう。この循環が、私たちの目指すパーパスを実現する駆動力となるのです。
「徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド」
クロスメディアHR総合研究所/クロスメディア・パブリッシング刊
ありそうでなかった「総合コンサル志望者」のための一冊
本書は、読者の方々が自分に合った企業を見つけ、適切なキャリア戦略を立てるために、実践的な情報を提供します。
たとえば、就職・転職者が知りたい、業界の全体像、今後の展望、キャリアパス、注目企業、働き方、選考の概要と具体的な対策などをじっくり解説。日本で数少ない成長産業として、就職・転職いずれも人気が高いこの業界について、徹底研究しました。
本文中では、就職・転職に関連した網羅的な情報に加え、業界を牽引する企業へのインタビュー取材を通して、業界・各企業の魅力や考え方、社会的意義などを深掘りします。また、多くの「就職・転職経験者の声や実例」から、つまずきやすいポイントをピックアップ。
ビジネスとテクノロジーの双方を深く理解し、企業と伴走する業界の現在と未来に迫ります。
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