
PROFILE
代表取締役社長
近藤 聡
早稲田大学商学部卒業後、大手コンサルティングファームに入社。自動車・ハイテク業界を中心に、企業戦略、オペレーション改革、海外展開戦略の策定・実行支援などクロスボーダーを含むプロジェクトを数多く手掛ける。デロイトトーマツコンサルティング社長を経て、2019年1月にEY JapanにてJapan Regional Leadership Teamの一員として、EY Japanの成長戦略の立案から実行までを統括する。20年10月より現職。
業界や組織の枠を超え、社会課題に挑む「クロスセクター戦略」。
EYSCが見据える次の成長ステージと、人材への期待とは。
※『徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド』(クロスメディアHR総合研究所著)から一部を抜粋し、掲載。
進展する産学官民のコラボレーション・プロジェクト
パーパスに基づく社会課題を見据えた取り組みと、多彩なプレイヤーを結ぶコラボレーションからどのような成果が生まれているか。「圧倒的な強み」への発展も予感させるプロジェクトの一例をご紹介します。
自治体との連携による地域交通のリデザインを出発点として、観光や食など地域産業まで巻き込みながら進展する、地域経済エコシステムの構築プロジェクトです。
塩尻市は長野県中部に位置する人口7万人ほどの小さな都市です。古くから交通の要衝として栄えましたが、自家用車の普及もあり、民間の路線バスは1999年に撤退。代わって市営のコミュニティバスが運行を始めますが、需給の不均衡により財政が窮迫します。移動のニーズがある以上、赤字でも運営を続けざるを得ない状況でした。
そこで、われわれは自治体DX支援の一環として、自動運転によるバスやタクシー、AIオンデマンドバスといった次世代モビリティサービスの社会実装によって解決を図る仕組みづくりを提案。交通DXを軸にした、モビリティ・エコシステムの構築を目指すプロジェクトが動き始めます。
また、これに合わせて、産学官民の連携でサステナビリティプロジェクトを動かす新しいチーム、Cross Sector Strategyを組織して、自治体の取り組みに伴走する体制を整えました。モビリティだけでなく、医療、通信、テクノロジーなど、各領域のプロフェッショナルからなるコラボレーションチームです。
真の課題を解決してサステナブルな街をつくる
地域の活性化や課題解決は、現実性のない提案では実現できません。持続性の確保、地域との対等なパートナーシップの構築、地元住民や事業者の方々とのニーズの調整など、現地に密着しなければ進められないことが山積みです。一過性の地方創生イベントの開催や、公的補助金の獲得だけでは十分な付加価値は得られず、本当の意味での課題解決には至らないでしょう。
そのため、EYのメンバーはプロジェクトが動き出す前の段階から現地に何度も出向き、時には長期に滞在しながら住民や事業者の生の声を聞いて回り、実態把握に努めました。このような地に足のついた調査に基づく提案であればこそ、地域との信頼関係が築かれたのだと思います。
また、地元の多様な方々が協働するための仕掛けづくりも進めています。「core塩尻」というDXセンターもそのひとつ。企業や教育・研究機関、自治体などの職員、学生・住民の方々が集まり、先端技術を実証したり、デジタル人材を育成したりといった機能を担う、革新的な都市機能を創出するためのDX拠点です。
このプロジェクトの本質的な目的は、地域交通のリデザインだけでなく、デジタルを基軸にサステナブルな街をつくることにあります。また、モビリティは「移動」を軸に、さまざまな産業をつなぐ可能性を秘めています。エネルギー、観光、食と農、教育、医療・福祉、スポーツなど、連携の可能性もまた無限大であり、「地域経済の循環とウェルネスエコシステムの構築」という大きな将来像も見えてくるのです。
2022年から本格始動したこの交通DXの取り組みは、地元の雇用創出にもつながり、自律的に収益化を目指せる仕組みに発展したことから、内閣府や国土交通省の支援事業にも採択され、他の自治体から視察に来られる方々が多いと聞いています。

「クロスセクター戦略」を先導する多様な人材を
長野県塩尻市とのサステナビリティプロジェクトの事例から、EYSCでの仕事の一端を知ることができたでしょうか。
ちなみに、このプロジェクトには、戦略、地域デザイン、公共政策、環境、自動車、ヘルスケア、エネルギー、テクノロジーなど多種多様なバックグラウンドを持つEYSCのメンバーが参画。ここでの経験を通じて、業界横断的な視点と考え方を獲得するなど、当社の人材育成戦略にもプラスの効果を生み出しています。
このようにEYSCでは、ひとつの専門分野や業界の枠にとらわれず、多様な領域を縦横無尽に掛け合わせる「クロスセクター戦略」を重視しています。コンサルティング会社の多くは現状、産業セクター別のチーム編成を敷き、いわば縦割り化した体制の下でクライアントの課題に対処しています。しかし、これでは複雑化の度合いを増す経営環境の中、ボーダーレスに事業展開する企業のニーズに十分に応えることはできません。
通信系企業がヘルスケアや金融・保険業にも乗り出すような時代です。以前はまったく関係のなかった異業種との間にも接点を見つけ、協業の可能性を追求するような動き方をしなければ、コンサルタントの活躍の場は失われていくでしょう。
われわれが必要とするメンバーも、多様な領域を横断できる人物であり、そうしたポテンシャルを持つ人材の登用・育成を進めています。また、そのための仕組みのひとつとして、コラボレーションそのものが評価の対象となるような業績・人事評価の基準を設けています。AさんがBさんの担当する仕事に参画したとき、Aさんの働きが正当に認められないのであれば、連携の効果は続かないからです。
また、多様な連携を必要とするプロジェクトを進める以上、メンバーの多様性もまた必要不可欠な要素です。グローバルに共通するEYのカルチャーとして、メンバー一人ひとりの個性を活かしながら創造力を最大化する「インクルーシブな企業文化」を核にしているのはそのためです。
われわれはこれを「ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス(DE&I)」と呼び、メンバーの自己実現と組織の成長をもたらす源泉と位置づけています。
EYSCの人材採用戦略はいま、「量から質」への局面を迎えています。どのような質を求めているか、もうおわかりでしょう。EYのパーパスに共鳴し、自らの「マイパーパス」を掲げて「より良い社会の構築を目指して」働く仲間に、ぜひ加わってほしいのです。
「徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド」
クロスメディアHR総合研究所/クロスメディア・パブリッシング刊
ありそうでなかった「総合コンサル志望者」のための一冊
本書は、読者の方々が自分に合った企業を見つけ、適切なキャリア戦略を立てるために、実践的な情報を提供します。
たとえば、就職・転職者が知りたい、業界の全体像、今後の展望、キャリアパス、注目企業、働き方、選考の概要と具体的な対策などをじっくり解説。日本で数少ない成長産業として、就職・転職いずれも人気が高いこの業界について、徹底研究しました。
本文中では、就職・転職に関連した網羅的な情報に加え、業界を牽引する企業へのインタビュー取材を通して、業界・各企業の魅力や考え方、社会的意義などを深掘りします。また、多くの「就職・転職経験者の声や実例」から、つまずきやすいポイントをピックアップ。
ビジネスとテクノロジーの双方を深く理解し、企業と伴走する業界の現在と未来に迫ります。
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