エル・ティー・エス 現場と経営をつなぐデータサイエンティストという仕事

プロフィール
執行役員 戦略コンサルティング事業本部 Data Lead事業部 部長
株式会社ME-Lab Japan代表取締役社長
坂内 匠

2012年、LTSに新卒で入社。コンサルタントとして、またエンジニア・データサイエンティストとして幅広く活躍。2021年に学びを求め東京大学大学院へ。卒業後も研究活動を継続しており、論文執筆や学会発表にも取り組んでいる。

現場の暗黙知をデータで可視化し、経営の判断へ翻訳する。データサイエンティスト・坂内匠が語る、現場発の価値創造。

※『徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド』(クロスメディアHR総合研究所著)から一部を抜粋し、掲載。

データサイエンティストは現場と経営の「通訳者」

データサイエンスを始めたきっかけは、コンタクトセンターの業務改善を支援していたときのことです。本来求められていなかったのですが、眠っていたお客さまとオペレーターの会話内容の全データを分析し、最終報告書に「おまけ」の気持ちで入れてみたのです。そうしたら、「本格的に取り組んでほしい」と言われました。

ビジネスの現場では、体系化されていない暗黙知があります。たとえば、お客さまとの会話から、サービスの解約を予感することがある。会話データを分析すると、特定の言葉が使われている可能性があります。しかし、そうした現場の感覚が経営層に共有されることは、ほぼありません。

データは、現場の暗黙知を可視化し、裏付けるためにあります。そして、そのデータが経営にどう活かせるのか、現場から経営の言葉に翻訳して伝えるのが、データサイエンティストの役割です。 ディープラーニングや生成AIなどの新技術を使えば、データから有益な知見が得られると思われがちです。しかし、「データだけ」で新しい示唆が得られることはありません。現場の知識に基づく「データの意味づけ」があってこそ、データがビジネスで役立つものになります。

興味を追求したらプロジェクトになった

もともと、データサイエンティストを志望していたわけではありません。私が入社した頃、世間でビッグデータや深層学習という言葉が注目され、頻繁に新しいアルゴリズムや手法が発表されていました。学生のときから統計学に興味があり、仕事でもデータを扱っていたことから、軽い気持ちで勉強を始めました。そして、初めて仕事で使ってみたのがコンタクトセンターの案件でした。小さく始めたプロジェクトでしたが、マーケットの盛り上がりもあり、引き合いが増えていきました。

そうして5、6年ほど経った頃、もっと深く研究しようと始めたのが、衛星データの解析です。LTSの技術顧問を務めていた東京大学所属の金特任准教授(現 韓国科学技術院教授)のご専門で、先生から気候変動にデータサイエンスで取り組む事例が増えてきたと聞いて、興味を持ちました。通常業務の合間を縫って5年ほど研究を続け、その後大学院でも学びを深めました。

データ分析×コンサルで挑む
環境問題という「総合格闘技」

2024年に設立したME-Labでは、気候変動対応に向けた経営コンサルティングを展開しています。衛星データや物理モデル(自然現象を計算するシミュレーション)による予測データを解析し、AIを用いて産業利用が可能な形式に変換します。

主に取り組んでいるのは、防災、水資源管理、カーボンクレジットの3分野で、設立から1年ほどでザンビアやトルコ、ベトナムなど海外案件を中心に実績を重ねてきました。JICAを通して現地の自治体に水資源管理システムを提供するなど、各国の社会課題解決に取り組んでいます。

ME-Labが目指しているのは、地球のデジタルツインの構築です。デジタルツインとは、シミュレーションで見ることのできる、もう一つの地球のこと。水資源問題や洪水防災をデジタルツインでシミュレーションできると、取るべき打ち手が見えてくるはずです。

ただ、データ分析やAIは手段のひとつでしかありません。環境問題は、物理的な現象と社会的な要因が絡み合って起きています。原因や責任の所在を一義的に特定することが難しく、「総合格闘技」のような複雑さがある。しかし、そうした課題にこそ、われわれのようなコンサルティングを土台としたデータサイエンティストが挑んでいく意義があると感じています。


「徹底解剖! 総合コンサルティングファーム就職・転職ガイド」
クロスメディアHR総合研究所/クロスメディア・パブリッシング刊

ありそうでなかった「総合コンサル志望者」のための一冊
 
本書は、読者の方々が自分に合った企業を見つけ、適切なキャリア戦略を立てるために、実践的な情報を提供します。

たとえば、就職・転職者が知りたい、業界の全体像、今後の展望、キャリアパス、注目企業、働き方、選考の概要と具体的な対策などをじっくり解説。日本で数少ない成長産業として、就職・転職いずれも人気が高いこの業界について、徹底研究しました。

本文中では、就職・転職に関連した網羅的な情報に加え、業界を牽引する企業へのインタビュー取材を通して、業界・各企業の魅力や考え方、社会的意義などを深掘りします。また、多くの「就職・転職経験者の声や実例」から、つまずきやすいポイントをピックアップ。

ビジネスとテクノロジーの双方を深く理解し、企業と伴走する業界の現在と未来に迫ります。

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