
代表取締役社⾧
伊藤 英修さん
数々の経営危機を乗り越え、60周年を迎えた幸和産業。独自の発想を大切に、国内外で活路を見いだし、年商83億円規模へと歩みを重ねてきました。「人こそすべて」と語る理由を、伊藤社長に伺いました。
一歩一歩、誠実に
幸和産業は1966年、私の父が創業しました。創業当初は、中部地方の地場産業を支えていた紡績メーカー向けに、機械の電機部品を扱う会社でした。
しかし、インドやパキスタンの台頭により国内紡績業は急速に衰退し、当社も会社存亡の危機に直面します。そこで社員一丸となって電気・電子業界へと舵を切りました。この方向転換は功を奏し、1990年代には携帯電話やパソコンの普及という追い風もあり、約10年にわたり順調な成長期を迎えます。
ところが2000年、ITバブルが崩壊。20カ月連続の赤字が続き、「いつ倒産してもおかしくない」状況に陥りました。何とか活路を見いだそうと自動車業界に目を向け、機械部品加工へと挑戦します。しかし当時の幸和産業は、社員数25〜30人ほどの小さな商社。取引先の9割以上が大手という環境の中で、価格競争だけでは、いずれ限界がくることは明らかでした。
そこで考えたのが、社員一人ひとりの魅力を高め、「製品」ではなく「人から選ばれる会社」へと変わっていくことです。最後に選ばれる理由は、結局のところ「人」。私は「人こそすべて」だと考えています。
その想いから、社員には他にはない経験を積んでほしいと考え、背伸びをして全社員でベトナムへ研修旅行に行きました。そこで目にした社員の輝く表情、そしてチームとしての一体感は、いまでも忘れられません。それ以来、毎年、多様な価値観に触れられる国へ行く海外研修を続けています。
世界情勢や技術革新によって、経営環境は常に変化し、課題も多様化していきます。だからこそ、社員が主体性を持ち、自分の考えや感性で判断しながら、ビジネスをつくり出してほしいと考えています。
私が大切にしている言葉は、「一日一生」、そして「気魄を尊ぶ 誠意を尊ぶ 信義を尊ぶ」。今日という一日を誠実に生き、目の前のお客さまに真摯に向き合う。その積み重ねこそが、企業が発展していく唯一の道だと、私は信じています。
幸和産業ってこんな会社 !
創業以来、「お客さまが本当に必要なもの」を誠実に届けてきた幸和産業。最初の事業であった紡績業界の衰退や、ITバブル崩壊といった幾度もの危機を乗り越えられた原動力は、価格や規模ではなく、「人」と「信頼」でした。「人こそすべて」という考えは、Great Place To Work®が主催する2024年版「働きがいのある会社」認定にもつながっています。
ライバルの多い業界で、社員数60名にも満たない企業が生き残り、成長を遂げてきた背景には、独自のグローバル戦略がありました。お客さまの要望に応えるため、現地に足を運び、品質を見極め、製品を磨き、納品後のフォローまで責任を持つ。その積み重ねが、海外拠点での製造体制や調達ネットワークを築き、グローバルな事業展開を可能にしています。本特集では、幸和産業の強みである「人」と「グローバル」に迫ります。
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